日本ネットワーク・アプライアンス(ネットアップ)は6月20日、高性能コンピューティング(HPC)向けストレージOS「Data ONTAP GX」の販売を開始した。
Data ONTAP GXは、地震探査データ処理といったエネルギー分野、映画製作や特殊効果レンダリングといったエンターテインメント分野、LSI設計やシミュレーションといった電子回路設計分野など、HPCが必要とされる領域向けに開発したOS。
米Network Appliance(NetApp)が買収した米Spinnaker Technologiesの分散システム技術「SpinOS」により、数ペタバイトまで拡張可能な単一グローバル名前空間を実現し、各アプリケーションから複数のノードを1つのシステムとして認識可能とする。この際、クライアント側にソフトを導入する必要はない。ストレージのノード間や階層間でデータ移動が容易に実行できることから、データの検索と管理が簡易化する。
ネットアップのハイエンド向けストレージ装置「FAS6070」やミッドレンジ向けストレージ装置「FAS3050」上でData ONTAP GX を作動させると、標準装備されているクラスタファイルシステム技術をHPCに活用できる。その結果、個々のファイルもデータセットも、複数ノードにストライピング可能となる。
なお、FAS6070とData ONTAP GXを組み合わせたところ、最大容量6ペタバイトの構成で毎秒100万命令以上というSPEC SFSベンチマーク値を記録した。