デバッグ作業の繰り返しでプログラムを磨く
ハードウェア、ソフトウェアを設計した後は、敵機との戦闘を行う。戦闘中のOKEは一切操作できず、プレイヤーは、戦闘の過程と結果から、自分のプログラムが当初の意図どおりに動作しているかを確認する。
戦闘中は、敵機と自機の動作が3Dのグラフィックで映し出され、プログラムチップの処理の様子がインジケーター上に表示される。戦闘に敗北してしまった場合には、チップに設定しているパラメータを変更したり、場合によってはチップの配列、つまりアルゴリズム自体を変更して、より強いプログラムを作成する必要がある。また、戦闘に勝利した場合でも、よりスピーディーに勝利するため、アルゴリズムを最適化するといった作業を行える。いわば「デバッグ」的な作業を繰り返すことによって、プログラムを洗練し、より強いものへと仕上げていくことができるのだ。
「敵弾を避けてすぐに攻撃に移るためには、どういう順序で動けばいい?」「周囲を索敵する場合に、一番効率的なアルゴリズムは?」などと考えながらチップを並べ、パラメータを設定し、戦闘の様子を見ながら、またプログラムをいじる……といった作業を繰り返していると、かつてフローチャートを書きながらBASICでプログラムを組み、エラーが出てはリストを見直していたころのアツい気持ちが蘇ってくる。
チュートリアル終了後には、ストーリーの進行に合わせて、さまざまな環境や敵機に対応したプログラムを作成する「シナリオゲーム」に加え、作り上げたOKEを使ってさまざまな敵機とひたすら戦闘を続けていく「バトルゲーム」といった、いわば本編とも言えるモードを選択可能になる。また、OKEのデータはファイル単位でのやり取りが可能なので、他人が作ったOKEと自分のOKEを戦わせるといった遊び方もできる。「Jupiter」というOKEデータの公式アップローダも開設されているため、本気になればかなり長い時間をかけて遊ぶことができそうだ。
反射神経重視のアクションゲームや、終了するまでに長い時間が必要なロールプレイングゲームは敬遠するようになってしまった元ゲームファンや、かつて「電子ブロック」やBASICでのプログラミングに夢中になった「元マイコン少年」には、ぜひ遊んでみてほしい。ただし、熱が入りすぎて、気がついたら夏休みのすべてをOKEプログラミングに費やしていた……ということになっても、筆者は責任を負わないのであしからず。