OSSのサーバ管理ツールを、OSSデスクトップは普及の阻害要因追求を--OSS普及に向けた動き

藤本京子(編集部) 2006年11月30日 13時09分

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 日本、中国、韓国の3カ国でオープンソースソフトウェア(OSS)の普及に向けた活動を続ける北東アジアOSS推進フォーラム。福岡で開催された第5回目の会合にて、フォーラム内の各ワーキンググループ(WG)がそれぞれの活動内容を報告した。

 WGは、技術開発や評価を行うWG1、人材育成について検討するWG2、標準化と認証研究を行うWG3の3つにわかれている。WG1はさらに2つのサブワーキンググループ(SWG)にわかれており、サーバ分野のSWGとデスクトップ分野のSWGが存在する。ここでは、この2つのSWGの活動内容を紹介する。

サーバ分野で3つの新プロジェクト

Geng Zengqiang氏 サーバSWGの代表として活動内容を報告するGeng Zengqiang氏

 サーバ分野のサブワーキンググループ(SWG)代表として壇上に立ったのは、中国Red Flag SoftwareのGeng Zengqiang氏だ。同氏はまず、サーバSWGとして今後進める3つの共同開発プロジェクトについて説明した。

 サーバSWGが進める新プロジェクトとは、サーバリソース管理ツール(OpenDRIM:Open Distributed Resource Information)プロジェクト、Linuxカーネル互換性テストツール(Crackerjack)プロジェクト、データベース管理システムの性能評価プロジェクトだ。

 OpenDRIMの目標についてZengqiang氏は、「標準に合ったオープンソースの管理システムを作ること」と話す。低コストで機能豊富な管理ツールに対する要望に応えるものだ。ツールの条件としてZengqiang氏は、オープンソースであることと、フリーソフトであること、国際標準に準拠していること、サーバとデスクトップ両方の管理ができること、拡張性のあること、使いやすいことなどを挙げている。

 OpenDRIMプロジェクトのロードマップとしては、12月に1.0の仕様と開発計画を決め、2007年6月に1.0の開発完了を目指す。2007年中に開催が予定されている第6回 北東アジアOSS推進フォーラムにて、OpenDRIM 1.0を正式に公開する予定だ。

 2つ目のCrackerjackプロジェクトでは、Linuxカーネルの新旧バージョン間の互換性をテストするツールを開発する。Zengqiang氏は、商用のOSではバージョン間の互換性が保たれているが、Linuxでは互換性が保証されていないことがあるため、「満足できるレベルまでLinuxのバージョン間の互換性を確保できる状態にする必要がある」と主張する。12月には北京で最初のプロジェクト会合が開催される予定で、2007年6月にバージョン1.0の正式リリースを目指す。

 3つ目の性能評価プロジェクトは、オープンソースデータベースであるMySQLとPostgreSQLの性能および信頼性の評価データを共有するためのプロジェクトだ。日中韓の3カ国でデータを共有し、市場ごとにOSSのデータベースを推進できる分野を見極める。このプロジェクトはすでに活動を開始している。

 この3つのプロジェクト以外にも、サーバSWGではセキュリティエンティティに基づくアクセス制御モデル「SEENモデル」について引き続き議論を継続するとしている。

デスクトップLinux普及の阻害要因を

Wei Chen氏 デスクトップSWGのWei Chen氏

 デスクトップSWGの活動報告は、中国情報産業部 ソフトウェア・集積回路促進センター(CSIP)のWei Chen氏が務めた。デスクトップSWGでは、1つのプロジェクトと1つのタスクフォースを立ち上げる。デスクトップLinuxの導入促進ロードマップを作成するというプロジェクトと、専用端末向けLinuxデスクトップを奨励することでOSSデスクトップの採用を加速することができるかについて調査するタスクフォースだ。

 ロードマップ作成プロジェクトについて、デスクトップSWGのWei Chen氏は、「まずはOSSデスクトップが普及するための阻害要因を特定し、その解決方法をそれぞれの国が考える」と話す。ロードマップ草案の第1版は、2007年1月31日に完成予定で、継続的に更新する。

 専用端末向けLinuxデスクトップに関するタスクフォースについては、「すでに一部のプロジェクトが始まっている」とChen氏。韓国ではOSSベースのPOSプラットフォーム、中国では映画館のチケット発行システムが用意されているというのだ。Chen氏は、こうした経験を基に「今後共同で開発できるテーマを考えたい」と述べている。デスクトップSWGでは、少なくとも3種類の専用端末向けLinuxデスクトップの候補を決めるとしている。

 ほかにも、デスクトップSWGが発表したこととしては、デスクトップLinuxの仕様となる中国のRPLinuxと韓国産のBooyoを基に、Linuxデスクトップの参照プラットフォームを共同開発することがある。中国と韓国が中心となって開発を進め、日本はその結果を評価する。

 3カ国の活動状況についてChen氏は、「中国は、RPLinuxの発展と普及に注力する。日本は、OSSデスクトップの応用を推進しようとしており、地方自治体などでのさまざまなパイロットプロジェクトを基に、普及の阻害要因を評価中だ。韓国では、学校内でのLinuxデスクトップのパイロットプロジェクトを進めているほか、OSSのPOSプラットフォームプロジェクトによってデスクトップLinuxの応用範囲を拡大しようとしている」と説明した。

 デスクトップSWGの今後についてChen氏は、「OSSの評価や、システム移行ツールの開発、デスクトップLinuxのドライバー開発キットなどについても討論していきたい」と述べた。

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