IBMは2007年より、デュアルコアプロセッサ「POWER6」を皮切りに、自社のハイエンドなPOWERプロセッサを初めてブレードサーバに採用していく計画だ。
今日、IBMのブレードサーバでは同社の「PowerPC 970」プロセッサが採用されている。しかし、IBMのBladeCenter担当ストラテジストを務めるTim Doughtery氏は米国時間12月6日、CNET News.comの取材に応じ、ローエンドのブレードサーバにおいては今後POWER6がPowerPC 970に取って代わるようになると述べた。POWER6を搭載した最初のサーバは2007年中旬に発売される予定で、POWER6を搭載したブレード製品も「POWER6の市場投入と非常に近いタイミング」に登場すると、同氏は加えた。
POWER6搭載ブレードサーバでは、これまでとは別のOSを走らせることも可能になる。PowerPC 970ベースのマシンは、「Linux」と、IBM独自のUNIXである「AIX」を稼働できるが、POWER6搭載ブレードでは、サーバシリーズ「System i」で利用される「i5/OS」も利用できるようになると、Dougherty氏は述べる。もっとも、i5/OSの機能がすぐに利用可能になるわけではないという。
現在のPowerPCベースのブレードサーバは、高い処理性能を要求する技術計算に主に用いられている。だが、i5/OSを稼働し、POWERプロセッサが搭載されるようになれば、業務での利用へと用途の転換が図られるものと見られる。今日のPOWER5搭載モデルはハイエンド市場で広く利用されているため、ユーザーにとって今回の動きは、よりローエンドなPOWER搭載システムに対する選択肢が広がることを意味する。
BladeCenterには、シングル幅のブレードサーバであれば14枚、Xeonプロセッサを4基あるいはCellプロセッサを2基搭載したようなダブル幅のブレードサーバであれば7枚まで収容することができる。また、さまざまな目的に合わせ、異なるプロセッサを積んださまざまなブレードサーバを組み合わせることも可能だ。Dougherty氏によると、Intelの「Xeon」やAdvanced Micro Devices(AMD)の「Opteron」チップを搭載したモデルが最もよく利用されているという。
ブレードサーバ市場で首位に立つIBMは、Hewlett-Packard、Sun Microsystems、Dellといった新たなライバルとの競争に直面している。
IBMのPOWER4は、1つのパッケージに2つの処理エンジンを集積するデュアルコア技術が採用された初めてのプロセッサであった。POWER5では、1つのコア内で「スレッド」と呼ばれる命令シーケンスを同時に2つ、並行で実行できるようになった。そして、POWER6は、デュアルスレッドに対応したコアを2基搭載するほか、計算処理やマルチメディア処理を高速化するPowerPC 970の「AltiVec」命令セットが搭載される。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ