2006年第4四半期、Intelは引き続きAMDからサーバチップ市場シェアを奪い返したが、デスクトップおよびノートブック市場では、コンシューマに強いAMDが増進を見せた。
Mercury ResearchのアナリストDean McCarron氏は、AMDがx86プロセッサ市場のシェアを従前通り伸ばしたと説明している。AMDの2006年第4四半期におけるシェアは、前年同期の23.3%から上昇して25.3%となり、同社史上最も高い数値を示した。
一方、Intelは、前年の76.0%から74.4%へシェアを落としたと、 McCarron氏は話している。
もっとも、シェア拡大がすなわちAMDの財政好転につながったわけではない。同社のサーバチップの平均価格は下がっているため、第4四半期はむしろ経営難に陥った。AMDによれば、同社のサーバチップシェアは前年同期の16.4%から22.2%へ上昇しているが、値下げを行ったにもかかわらず、第3四半期の23.6%には届かなかったという。
McCarron氏は、「Intelがサーバ市場で獲得したシェアはほとんどが『Woodcrest』によるものだ」と述べ、同社のデュアルプロセッササーバ向けのデュアルコア「Xeon 5100」チップに言及した。また、2つのWoodcrestチップを使用してクアッドコア化した「Clovertown」プロセッサが、「Intelの第4四半期における業績に大きく貢献した。クアッドコアは急速に普及し始めている」と述べた。
AMDおよびIntelはともに、4基以上のチップを搭載するサーバ向けのx86プロセッサ市場でシェアを拡大させている。Intelの「Xeon 7100(Tulsa)」チップが、エネルギー効率にすぐれたWoodcrestの最新コアデザインではなく、古い「NetBurst」デザインを採用している点から、これは特に興味深い事象だとMcCarron氏は言う。
「サーバ環境における世界的な潮流は、より強力なサーバを実現するマルチプロセッサシステムへ向かっている」(McCarron氏)
AMDは2006年に、大手サーバベンダー4社のうち唯一Intelプロセッサしか採用していなかったDellと契約を結び、「Opteron」の採用を取り付けた。だがIntelも2007年1月に入り、同社のチップを実装したサーバを販売しているHewlett-Packard、IBM、Dellに加え、Sun Microsystemsとの提携を確立し、上位4社をすべて手中に収めている。
AMDは、Opteronを供給しているサーバ市場より、デスクトップおよびノートブック市場での健闘が目立つ。第四四半期のシェアは、デスクトップ市場で24.4%から29.1%へ、ノートブック市場で15.1%から19.4%へ伸びたという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ