2007年CESに見るVoIP最新動向--置き換え需要からビデオ電話まで盛りだくさん

文:Deb Shinder 翻訳校正:吉井美有

2007-02-06 07:54

 1月、ラスベガスで2007 International CES(以下「CES」)が開催された。2007年のCES取材にあたって、わたしはVoIP機器の新製品に着目した。開催期間中に見つけたビジネス市場向けや個人消費者向けなどさまざまな製品を、以下にまとめて紹介したい。

Skypeユーザーをターゲットとした多機能製品が続々

 ベンダーらは、Skypeによる人気のVoIPサービスと連携するさまざまな電話機を展示しており、その中にはかなり革新的なものもあった。なかでもASUSTekのコードレス電話機(「AiGuru S2」)は特に目立っていた。多彩な機能を取り込むというコンセプトが貫かれている。この電話機はSkypeに対応しているだけではなく、Apple iTunesとWindows Media Playerのいずれを介してもお気に入りの楽曲を再生することができるようになっているのだ。さらに、Windows VistaのSideshowがあれば、この電話機を使って電子メールをチェックすることもできる。

 VoIPユーザーがより興味を惹かれる製品はおそらく、Skypeに対応していて通常の固定電話でのSkype通話を可能にするASUSTek製のマザーボードだろう。またD-Linkも、一般の電話機を接続し、Skype通話も固定電話への通話も同じ電話機で行えるようにするアダプタ製品を展示していた。このアダプタは電話会議や電話転送、内線電話間の転送を行えるようになっているうえに、一般の電話機で利用可能な発信者番号表示やリダイヤル、スピードダイヤル(短縮番号)などの機能も備えている。

 PCを介さず、電話機本体を(イーサネットまたは無線の)ネットワークルータに直接接続するSkype電話機を展示している企業も複数あった。そしてこういった電話機のなかには、Skype電話としても固定電話としても利用できるうえ、1台の親機への複数子機接続を可能にすることで、一般家庭だけでなく小規模企業でも利用できるようにしているものもあった。このタイプの電話機を展示していた企業にはPanasonic Corporation of North America、GE、Netgearがある。

 多才な機能を取り込むという話に戻ると、Nokiaは同社の「Nokia N800 Internet Tablet」にSkype通話機能を追加するという計画を発表した。同デバイスは見た目に魅力的かつコンパクトであり、Linuxを稼働する。重量は7オンス(約198グラム)しかなく、256MBのメモリに加え、「2つ」のフラッシュカードスロットも備えている。同デバイスはVoIP機能が付加されたことで、さらに多目的に利用できるようになっている。

 IPEVOは、卓上型のSkypeビジネスフォンをいくつか展示していた。これらの電話機は、Skypeソフトウェアを直接稼働させることでコンピュータを不要にしている。また、2.4インチのカラー画面を備えたタイプは、ビジネス向けの機能を備えた電話機として魅力的だ。

VoIPプロバイダーの取り組みは?

 Vonageは今回のCESで非常に目立っていた。同社は会場のそこかしこに小さなブースを置き、VoIP通話を無料で提供していた。しかしどのブースにも長い行列ができていたため、わたし自身は試す機会がなかった。

 わたしが今までに何度も受けた質問として、Vonageは、消費者向けのVoIPサービスとしてLingoやPacket8、SunRocketと比較すると価格が高く、多くの人々の話によるとサービス品質や機能でも遅れをとっているにもかかわらず、最も知名度が高いようにみえるのはなぜかというものがある。何か理由を挙げろと言われれば、こういったマーケティング手法によるものかもしれない。

 この他には、American Telecom Services(ATS)がDECT 6.0規格に対応したコードレスVoIP電話機を複数、LingoやSunRocketのサービスプランとバンドルして展示していた。

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