セキュリティ企業が、Mozillaのブラウザ「Firefox」に2件の脆弱性が発見されたと報告している。この脆弱性は、ローカル環境に保存されたファイルを外部からの攻撃に対する防御を弱める可能性があるという。
Beyond Securityの部門の1つであるSecuriTeamが今週、この2件の脆弱性を報告した。SecuriTeamが米国時間2月5日に発表した声明によると、2件の脆弱性のうち1件は、Firefoxのポップアップブロック機能に存在するものだという。SecuriTeamは公式の報告の中で、Firefoxは通常、ウェブサイトからローカルに保存されたファイルにアクセスすることを許していないが、ユーザーがポップアップウインドウを手動で解除すると、FirefoxのURLによるパーミッションチェックが無力化してしまう、と述べている。その結果、攻撃者はこの脆弱性を悪用して、ローカルに保存されたファイルや、そうしたファイルに含まれる個人情報を手に入れることを可能にしてしまう。
この攻撃には、ユーザーが悪意あるリンクをクリックすることが必要とされる。リンクをクリックすることで、エクスプロイトコードを組み込んだ対象ファイルがコンピュータのハードドライブにこっそりと埋め込まれる。このとき、動画ファイルの再生やダウンロードをするためにポップアップウインドウの表示を許可するかをユーザーに尋ねる通知が表示される。脆弱性を悪用することで悪意あるファイルが攻撃対象のコンピュータに仕込まれると、ローカルファイルの読み取り権限等が攻撃者に盗まれる可能性がある。
この脆弱性は、「Firefox 2.0」より前のFirefoxに限られているようだ。Beyond Securityは本件に関してコメントを控えている。
SecuriTeamが2月7日に報告した2件目の脆弱性は、Firefoxのフィッシングプロテクション機能に関係している。この脆弱性を悪用すると、フィッシング詐欺の熟練した攻撃者が、ウェブサイトのURLに特定の文字列を追加することで、Firefoxに偽のサイトを安全であるかのように信じ込ませることを可能にするという。
このフィッシングプロテクション機能に関係した脆弱性は、「Firefox 2.0.0.1」に影響を与える模様だ。
Mozillaは7日の時点でコメントを控えている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ