まずはアカウントを登録する
さて、この話を聞いてSecond Lifeに興味を持ったなら、早速アカウントを登録してみよう。アカウントは、Second Lifeのウェブサイトから登録する。もうすぐ日本語版が発表されるが、それまではアメリカのサイトにて英語でのアカウント登録が必要だ。
登録は、デジタルハリウッドの日本語導入マニュアルを参照すればスムーズにいくはずだ。
区画のみをレンタルしたい場合、プレミアムアカウントにグレードアップする必要はない。なぜなら、中で土地を貸し出しているオーナとの交渉によって、すぐに土地をレンタルできるからだ。しかし、1島まるごと(256m×256m)の土地を持ちたい場合にはプレミアムメンバーへの移行が必要だ。さらに無料のベーシックアカウントでは、建物内で使われる外壁の模様(テクスチャ)などをアップロードできない。1つのファイルアップロードにつき、10リンデンドルのコストがかかるからだ。
リンデンドルとは、Second Life内の仮想通貨のことだ。現在のレートでは、1ドルが186リンデンドルという計算だ。1ドル=119円で計算すると、テクスチャ1枚をアップロードするのに6円かかることになる。
Second Life内でさまざまな作業を円滑に進めるためにも、プレミアムメンバーにアップグレードすることをお勧めする。
しっかりとプロジェクトプランニングを
自社ビルを建築する際にまず重要なのは、その建物の位置づけだ。なぜその建物を建設するのか、目的は何か。Second Life内で支店を作ることによる自社ブランドのイメージ向上か、それともその建物の中で社内会議を行うのか、あるいは実際にバーチャルな制作物をその中で販売するのか。さらには、リアルな商品を売るための導線とするのか、といった具合だ。
今回、シーネットネットワークスジャパン Second Life支社を作る目的は主に4つだ。それは、日本のメディア企業としてSecond Lifeに初期参入すること、ZDNet Japanでの連載との連動、ページビューの増加、さらにはSecond Life内でメディア企業が必要とする機能を設置することだ。
こうした目的を達成するために必要となるSecond Life内の建物の機能は何だろうか。まずは、せっかく早期参入するのだから、ある程度の規模とクオリティがなければ意味がない。また、受付やサイトに連動する看板など、企業オフィスとしての一般的な機能も必要だ。
連載との連動をうまく実現するには、連載回数増加による建物拡張に対応できるスペースと建築構造が必要となる。ページビューの増加については、連載を続けることはもちろん、ものづくりのリファレンス的な位置づけとなることが求められるだろう。メディア企業として必要となるのは、インタビュー会場などだ。
これら機能を実現すべく、現在のシーネットネットワークスジャパンのSecond Lifeオフィス(Cyber Adventure 118, 30, 31)は作られた。
このように、バーチャルオフィスを開設するには、まず企業としての建築物の位置づけや、どのような目的に使用するのかを決定することから始まる。月額コストがかかるのだから、ウェブサイトの構築と同じく、ターゲットとプロジェクトのゴールを決める必要があるのだ。まずは2〜3ページでも良いので、紙に書くことから始めよう。作っているうちにさまざまな疑問点がでてくるはずだ。
(第3回へつづく……)
※ Second Life内のシーネットネットワークスジャパンの建物は、クリエイターのDaiさんにご協力いただいています。
大槻透世二デジタルハリウッド大学院
次世代インターフェース研究室 研究員
Second Life研究室 研究員/プロデューサー
Linden社推薦 Second Lifeセミナー講師
サイバーアドベンチャーCEO
東北大学心理学専攻卒業。1年間のLA留学を経て、ソリッドレイ研究所でバーチャルリアリティのシステムインテグレーション、立体映像システム構築、HMDシステム構築などを経験。IT系コンサルティング会社を経て、デジタルハリウッド大学大学院コンテンツマネジメント修士課程修了(MCA)。その後、Linden Lab本社にてSecond Lifeカリキュラムのトレーニングを受ける。現在デジタルハリウッドにて「Second Life」セミナーを開催。また、バーチャルリアリティ、メタバース関連のシステム開発/プロデュースを行うサイバーアドベンチャーを設立し、そのCEO職に就いている。