インテル、128ビット相変化メモリのサンプルを披露

文:Michael Kanellos(CNET News.com) 翻訳校正:編集部 2007年04月18日 12時21分

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 Intelは米国時間4月17日、同社が30年近くもの間考察してきた概念に基づくメモリチップを披露した。

 「Alverston」という開発コード名で呼ばれる同チップは、相変化メモリデバイスである。Intelの最高技術責任者(CTO)であるJustin Rattner氏は、北京で開催されたIntel Developer Forumにおいて、Alverstonの128ビット版サンプルを披露した。同チップの顧客向けサンプル出荷は2007年前半に開始される予定である。このプロジェクトにおいてIntelはST Microelectronicsと協力している。

 同チップの材料は、CD ROMディスクの材料に似ている。チップは小さなビットに分割される。加熱すると、単一ビット内部の材料が結晶化する。ここでビットに光を当てると、その反射像がコンピュータの2進法における「1」として記録される。

 再加熱し冷却すると、「1」と記録されたビットがアモルファス(非晶質)状態となり「0」となる。非晶質状態と結晶状態のビットによりデータを記録する。

 相変化メモリは、カメラや電話内部に使用されるフラッシュメモリの代替物とみなされているが、コンピュータに挿入されるメモリの1種としても使用できる可能性がある。メーカーらはここ数年間、フラッシュメモリチップの小型化を迅速かつ着実に進めているが、フラッシュメモリの本質的な性質と構造から、10年以内にその小型化は限界に達し始めるだろうと思われている。

 メーカーらは、ナノクリスタル、磁気メモリ、スピントロニクスなどの技術により、フラッシュメモリの代替となるメモリを開発しようと努力してきた。この2年間で、Philips、サムスン電子、IBM(かつては磁気メモリを強く提唱していた)など多くの企業が、相変化に関する成果を述べた研究論文を発表しており、同技術がフラッシュメモリ後継候補の中で一歩リードしていることがうかがえる。

 しかし相変化を利用しようとする概念は、実は新しいものではない。Intelの共同創設者であるGordon Moore氏は雑誌「Electronics」の記事で、相変化メモリの1種であるOvonicsメモリの可能性を論じていた。同記事は同雑誌の1970年9月号に掲載された(同雑誌には『The big gamble in home video recorders(ホームビデオレコーダーにおける大きな賭け)』というタイトルの記事も掲載されていた)。

 相変化メモリは、消費電力が低く、従来のメモリよりもかなり寿命が長く、小さなサイズで大容量のデータを格納することができる。ビットは簡単には値が変わったり、破壊したりしない。課題としては、その製造方法と信頼性の実現が挙げられる。ビットを結晶状態から非晶質状態へと変化させるには、電荷を加えるか、急激に摂氏600度まで加熱しなければならず、またその際に近隣ビットの値を変化させないようにする必要がある。

 Intelは、何年もの間Ovonicsについて論じてきた。2001年には、同社はこれをフラッシュメモリの代替候補として提唱した。当時アナリストらは2003年までにこれが市場に提供されるだろうと予測していた。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ

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