日本全体が7m20cmの本で埋め尽くされる!--2010年のデータ量を試算したIDC

藤本京子(編集部)

2007-04-23 15:18

 「EMC本社の所在地となる米国マサチューセッツ州の面積は21万4550平方キロメートルで、日本の約57%の広さ。本1冊分のデータ量を約1Mバイトとした場合、2006年に生成されたデータ量1610憶Gバイトをマサチューセッツ州に並べると、高さが2m31cmとなる。2010年には、データ量が現在の6倍以上の9880憶Gバイトに達し、マサチューセッツ州全体が高さ12m6cmの本で埋め尽くされる。これを日本の面積に置き換えた場合でも、本の高さは7m20cmに達することになる」--EMCジャパン 執行役員 マーケティング 兼 パートナーアライアンス統括本部長の古谷幹則氏は、米調査会社IDCの調査結果を基に、増え続けるデータ量への警鐘を鳴らした。

古谷氏 増え続けるデータ量について説明するEMCジャパンの古谷幹則氏

 現時点のデータ量1610憶Gバイトは、161エクサバイトと言い換えることもできる。1エクサバイトとは1000ペタバイトのことだ。5エクサバイト分が、これまでの人類の会話の全単語に相当するという。

 この調査は、「膨張し続けるデジタル宇宙」と題したもので、EMCがスポンサーとなってIDCが実施した。調査によると、データ量の年平均成長率は57%。同時にストレージの価格も急落しており、1990年の時点では1Gバイトあたり2万ドルだったストレージの単価が、2000年には250ドルに、2005年には20ドルにまで下落した。このコスト効果は125倍以上で、「プロセッサ以上の進化を遂げている」と古谷氏。また、ハードディスクの小型化も進み、「数年前は1テラバイトのハードディスクは巨大な装置でしか実現できていなかったが、2007年には3.5インチで1テラバイトのハードディスクが登場する」と古谷氏は話す。

 ここで古谷氏は、「2007年は、生成されるデータ量が利用可能なストレージを超えてしまう」と指摘する。IP電話やデジタルテレビの普及、デジタルカメラやビデオの高画質化、整理されていない複製データの存在などがその理由だ。

 無駄な複製データを削減することは企業でも大きな課題となっている。例えば、メールに添付して複数人数に同じファイルを送った場合、データ量はそれだけで倍増するためだ。EMCでは、2006年11月に複製データを削減するための「Deduplication(複製防止)ツール」を提供するAvamar Technologiesを買収している。

 また、「データ量の増加に伴い、セキュリティやプライバシー、信頼性、コンプライアンスといった面において、企業の責任が求められる」と古谷氏。今回の調査では、セキュリティ投資が現在の400億ドルから2010年には650億ドルとなることや、法規制対応を実現するためのテクノロジやサービスが2010年に現在の2倍となる214億ドルに達することなどが指摘されている。

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