シスコシステムズは、4月28日から5月6日にかけて行う本社移転の際、RFIDを利用した荷物管理の実証実験を実施する。同社が4月25日に明らかにしたもの。日本通運と協力し、新宿三井ビルにあるラボから、東京ミッドタウンにある移転先オフィスまで配送する機材、約400箱分にRFIDタグを付して追跡する。
日通では従来、価格競争の影響を受けにくい高付加価値サービスの一環として、バーコードを利用した荷物管理などを試みており、RFIDタグを利用した実験にも意欲を示していた。シスコは、アプリケーション間のメッセージ管理を行うネットワーク製品「Cisco Application-Oriented Networking(Cisco AON)」を使ったRFIDタグの処理実験を検討しており、本社移転の機会に協力を得た。
新宿三井ビルの8階フロアと、東京ミッドタウンの27階フロアにRFIDタグの読み取りゲートを設置。作業員がRFIDタグを付した機材の箱を持ってゲートを通過するたび、個々の情報を読み取り、Cisco AONで処理する。シスコでは今回、流通系RFIDタグ製品の標準化団体である米EPCGlobalの規格に準拠するため、新たな処理ロジックを開発した。
これにより誰が、いつ、どの箱に入ったどの機材を搬出/搬入したかを即時検知し、コントロールセンターで配送状況を把握するという。配送状況はインターネットを介して遠隔地からも閲覧する。シスコと日通では実証実験の結果をもとに、RFIDタグを利用したオフィス移転時の荷物管理サービスを商用化する予定。