--ビジネスインテリジェンスは在庫管理以外に何ができるの?
そうだね、いくら注意深く値段をつけた商品を棚いっぱいに積み上げて、「ジャストインタイム」で在庫を管理しても、要員の増強が必要なことを見落としていては意味がない。冬の間は病欠や欠勤が増えて状況が悪化するし、一番忙しいクリスマスの時期に悪影響が及ぶことになる。
--小売業以外にもビジネスインテリジェンスは役に立つの?
その答えは実際のところ、業務上のデータが作成され、そのデータについて理解を深めることで利点が得られるすべてのビジネス、ということになる。最も典型的な例は、書籍販売、金融サービスの提供、家庭への電力供給など、顧客やユーザーを対象とし、彼らの行動をより理解したいと考えているビジネスだ。一方、社内管理用に使用して、異常なデータの発見や、不正が疑われる行為の特定、主要部門での社員の入れ替わりパターンの特定など、社内の全従業員を監視することもできるんだ。
--じゃあ、そこから人事部門の仕事も生まれてくるのかな?
もちろん、これらのメリットの多くはすべてに影響するから、人事部門も企業内で非常に重要なデータを作成できるはずだ。ビジネスの生産性や利益率が高い分野により多くの報酬が支払われているか、職員の入れ替わり率はどうか、特定のスキルを持つ社員が組織から離れているか、一定の種類の職員を採用したり引き止めたりすることができているかなどがテーマになる。
--本当に限界がないんだね?
全体像がわかってきたようだけど、どんな技術も効果的に使われて初めて役に立つ、ということも付け加える必要がある。ビジネスインテリジェンスソフトウェアを購入するだけでビジネスがインテリジェントになるわけじゃない。データにどう対応するかがわかる範囲でのみ、効力を発揮するんだ。ソフトウェアが自動的に七面鳥を注文するわけではないし、もちろん、不正行為が疑われる職員と面談してくれたり、最高のスタッフを採用してくれたりするわけじゃない。
--最後に注意することは?
ここまで、高価なソフトウェアソリューションがだれにとっても適切だとは言っていない。ビジネスインテリジェンスのことを考えると、データベース駆動型の大規模なソフトウェアアプリケーションを提供する大手ソフトウェア企業のような気分になりがちだ。でも、これは特定の技術というより、まず第一に、自分たちが行っていることに関してより多くの情報を集めるという仕事のやり方を指しているんだ。