インテルは6月5日、アプリケーション開発を支援するソフトウェア製品「インテル C++ コンパイラー 10.0 プロフェッショナル・エディション」および「インテル Fortran コンパイラー 10.0 プロフェッショナル・エディション」を発表した。これらのソフトウェアは、コンパイラ、パフォーマンスライブラリ、インテル スレッディング・ビルディング・ブロックという組み合わせにより、マルチコアの並列化をサポートする。
Intel ソフトウェアソリューション事業本部 グローバルビジネスデベロップメント ディレクターのPhil De La Zerda氏は、「マルチコアCPUが登場する前は、並列化やコードのスレッディングといえばハイエンドだけのものだった。それが今ではデスクトップでもマルチコア化が進んでいる。近い将来、さらにさまざまなデバイスでのマルチコア化が進むだろう。つまり、開発において並列化プログラミングは避けて通れなくなっている。インテルはそのためのツールを提供する」と述べた。
C++およびFortranコンパイラを利用すれば、ベクトル化、並列化、およびループ変換を1つのシステムに統合できる。ベクトル化では、3Dやビデオアプリケーションのパフォーマンスを向上させる最新のSSE4を含む、ストリーミングSIMD拡張命令(SSE)を使用している。並列化は、マルチスレッドコードを自動生成して、アプリケーションがマルチコアプロセッサの処理能力を活用できるようにする。ループ変換は、開発者がコードを修正しなくても、これらの機能と共に自動的に実行する。
また、コンパイラは、バッファオーバーフローの検出や、スタックチェックの有効化、x87浮動小数点スタック問題の検出、マルチスレッドアプリケーションの開発およびデバッグ支援、32ビットから64ビットへの移植時の問題警告機能なども備えており、ぜい弱性の特定にも利用できる。
インテル C++ コンパイラー プロフェッショナル・エディション(Windows版、Linux版、Mac OS版)は、8万9985円。Fortranコンパイラーは、Windows版とMac OS版が10万5315円、Linux版が13万5345円(いずれも税込み価格)。日本国内ではエクセルソフトを通じて販売される。