Salesforce.comとGoogleは、共同のウェブサイトを米国時間6月5日に開設するとみられている。顧客関係管理(CRM)ソフトウェアメーカーのSalesforceは、この新サイトで、広告出稿プログラム「Google AdWords」の再販業務を手がける予定だ。
Salesforceにとって今回の提携は、2006年8月の株式非公開会社Kiedenの買収に引き続き、自社のホスティング型CRMソフトウェアとGoogle AdWordsを連携させるための取り組みを強化するものだ。これによってSalesforceは、顧客にAdWordsへの出稿サービスを提供するだけにとどまらず、AdWordsプラットフォームの再販にも手を広げることになる。
Salesforceのマーケティング担当シニアバイスプレジデントを務めるKendall Collins氏によると、両社はすでに「Salesforce Group Edition featuring Google AdWords」を共同開発しており、今後は同サービスのマーケティングで協力する計画だという。
顧客企業がSalesforce Group Editionを通じてAdWordsに広告を出稿すると、Googleの検索サイトで自社に関連するキーワードが入力された際、検索結果ページに広告が掲載されるようになる。同時に、アフィリエイトプログラム「Google AdSense」にも広告が配信される。
潜在的な顧客が広告をクリックすると、広告主のウェブサイトに誘導され、氏名をフォームに入力するよう奨励される。この情報はSalesforceのCRMサービスを通じて、見込み客として各企業の営業部門に渡される。
Collins氏は、オープンなAPIへの注力など、インターネットを通じたサービス提供に対する両社の姿勢が似ている点を挙げ、「この提携は、われわれにとって当然の流れだった」と語った。
Salesforce Group Edition featuring Google AdWordsは中小企業を対象としており、年間の利用料金は5ユーザーで1200ドルだ。ただし、サービス開始後30日以内に申し込んだ場合、最初の1年間は5ユーザーで600ドルという販促価格で利用できる。この600ドルには、1年につき50ドルのGoogle AdWordsのクレジットも含まれる。
Collins氏によると、今回の非排他的な契約の一環として、Salesforceは、Salesforce Group Editionの販売による売り上げの全額とGoogle AdWordsの販売額の一部を受け取るという。AdWordsによる売り上げの残りはGoogleの取り分になる。
Salesforceの検索マーケティング担当ディレクターを務めるSean Whiteley氏は、GoogleとSalesforceによる共同開発の取り組みが1つの製品を生み出したが、この製品の顧客が将来の開発計画の原動力となると話す。
「顧客がこれらの製品を使用するうちに、われわれが次に何をなすべきかが明確になると期待している」(Whiteley氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ