インテル、ビットワレット、マイクロソフトの3社は7月3日、2006年6月に発足したスマートデジタルライフ推進プロジェクト(SDLP)について、活動報告説明会を開催した。
SDLPは、非接触ICカード技術「FeliCa」を活用し、PCなど情報端末上での個人認証や安全な決済方法による電子商取引の発展と普及を目指し、3社が共同で立ち上げた。このプロジェクトにおいて、インテルはハードウェアプラットフォームを提供し、マイクロソフトはソフトウェアプラットフォームを、そしてビットワレットはサービスを提供するという役割を担い、1年間活動を続けてきた。
SDLP立ち上げ当初の目標として3社は、FeliCaに対応したサービス数を約2倍にし、FeliCa技術を搭載したハードウェアの出荷台数を3倍に、FeliCaオンライン取引高を約2倍に発展させるとしていた。この目標も順調に達成しつつあり、「対応サービス数は2006年12月に2倍を達成した。FeliCaオンライン取引高も2007年5月に約2倍となった。対応ハードウェアの出荷台数は、現時点で2.5倍となっているため、2007年度末には3倍という目標が達成できる見込みだ」(インテル 代表取締役共同社長 吉田和正)としている。
ビットワレット 代表取締役社長の眞鍋マリオ氏も、「現時点で(FeliCa技術を使ったビットワレットの提供する電子マネー)『Edy』の加盟店は約5万店にまで広がり、Edy機能を搭載したカードは、携帯電話約600万台を含めて約3100万枚となった。2007年度末には、Edy加盟店を10万店とし、Edy搭載機能カードを約4000万枚としたい」と、Edyの普及目標値を述べた。
確かに電子マネーは着実に広がりつつある。2007年5月にはAmazon.co.jpでもEdyが利用可能となったほか、7月10日からはファミリーマート全店でEdyとNTTドコモの提供するサービス「iD」が利用可能となる。また、7月中旬にはローソン全店でもEdyとモバイル決済推進協議会の推進する「QUICPay」が利用可能となる。
眞鍋氏は、「SDLPが発足してからのこの1年は、電子マネーが現金のかわりに使えるような環境を整えるという第1フェーズだった。これからは、現金にはできない電子マネーならではのサービスを展開する第2フェーズとなり、サイバーとリアルの融合がはじまる」と述べた。
3社は、SDLPの活動の一部として、シニア世代や主婦層へのITの導入を推進することにも力を入れている。こうした取り組みの一環としてインテルは同日、キーボードやマウス操作に馴染みのない人でもITおよびオンラインサービスが簡単に利用できるよう、シニア向けのPCやインターネットサイトに関する技術要件を策定した。この技術要件には、PCデバイスに電子決済のために必要なFeliCaポートを搭載し、タッチパネル式の画面を装備するなどといった、ITの利用環境を改善する要素が含まれている。
9月下旬には、PBJがこの技術要件に沿ったタブレットPCを発売する予定だ。