三井物産戦略研究所(寺島實郎社長)は8月4日、野村総合研究所(NRI、藤 沼彰久社長)、電通国際情報サービス(ISID、水野紘一社長)、フライトシス テムコンサルティング(片山圭一朗社長)、オープンソースソフトウェア(OSS)で構成した電子自治体共通基盤システム「戦略研フレームワーク(戦略研F W)」を共同展開することで合意したと発表した。今秋から共同サービスを提 供開始する予定。
三井物産戦略研究所は、地方自治体の電子化を支援する活動「オープンスタ ンダード化支援コンソーシアム(OSAC)」の一環として、福岡県が策定した 「電子自治体共通化技術標準」、埼玉県鳩ヶ谷市が開発した「鳩ヶ谷共通基盤」 のソースコードをWebサイト「OSAC Tech Portal」で公開している。
「戦略研FW」は、その鳩ヶ谷共通基盤のソースコードをNRIが提供している 「OpenStandia」に組み込んで無償提供するもの。総務省が推進する自治体向 け共通基盤ソリューション「地域情報プラットフォーム」に国内で初めて準拠 したソリューションで、具体的には、システムインフラの設計・構築支援と保 守、既存アプリケーションの戦略研FWへの移植および検証といったサービスを 提供するほか、戦略研FWを使った共同アウトソーシング支援を行う。
NRIのオープンソース・サポートサービス「OpenStandia」では、ApacheやJBoss、PostgreSQLなどのオープンソースを組み合わせて信頼性の高いシステム インフラを実現するための推奨アーキテクチャーやパラメータ設計、構築/テ スト手順書などを体系化した、オープンソース・サーバー基盤を提供。NRIは 「戦略研FW」の専用インストーラーを開発し、自治体向け「OpenStandia」と して有償の長期保守サポートを提供する。
自治体向け「OpenStandia」には、OSSのJava開発フレームワーク「Seasar2」 が同梱され、ISIDは「Seasar2」サポートサービスとコンサルティングサービ スを提供する。またフライトシステムコンサルティングは、民間企業向けに 「戦略研FW」を採用した経験から、電子自治体分野での共通基盤システム導入 コンサルから実際の構築、運用・保守まで一貫したサービスを提供する。
「戦略研FW」を利用すると、合理的な電子自治体構築に不可欠な共通基盤の 導入に際して、構築期間や開発費用の大幅な削減が可能。インストーラーによ り10分程度で簡単に導入でき、基本的にOSSを利用するため、イニシャルコス ト/ランニングコストを約2分の1程度に低減する効果も期待できる。さらに少 なくとも5年間のワンストップのサポートサービスを提供し、保守面もサポー トする。