--サービスとしてのプラットフォームという概念がこの先10年でますます現実のものになるにしたがって、Microsoftがその巨大なプラットフォームの1つとなるチャンスはあると思われますか。
Benioff:多かれ少なかれ歴史は繰り返すという事実が、論拠になります。というのは、この新しい流れの中核となるいくつかの存在がまったく認識されていないからです。私には、彼らが抵抗してあがきながら引きずられていく状況しか想像できません。その最もよい例はおそらく「Gmail」でしょう。
GoogleはGmailで実にうまくやっています。Microsoftがマルチテナント型の電子メールソリューションで対抗しなければならないことが、誰の目にも明らかになると私が考える理由はここにあります。Microsoftには「Hotmail」がありますが、Hotmailは本質的にビジネス向きではありません。そのため、彼らはどうしてもそうした取り組みをせざるをえなくなるでしょう。
--Ozzie氏がチーフソフトウェアアーキテクトを引き継いだことで、ソフトウェアサービスへとMicrosoftがいかに大きく舵を切るかについてよく語るようになりました。彼らがこの戦略を成功させる上で最も大きな障害になるのは何だと思いますか。彼らには世界中に開発者がいます。
Benioff:私はMicrosoftのCEOではありませんから、よくわかりません。なぜその構想をまだ実現していないのかについては、彼らに尋ねるべきでしょう。ソフトウェアの終焉を説いているのは私たちだけではありません。この表現を使い始めたのは私たちですが、Microsoftはその展望を実現してはいません。彼らはまだ、他の企業がやっているようには、自らの力を革新へ注いでいないのです。
--SAPやOracleについても同じようにお考えですか。
Benioff:私が9年前にOracleから離れた当時、Oracleの売上高は年間100億ドルでした。今は年間200億ドルです。Oracleの革新性はそのビジネスモデルにあります。ご存知のように、Oracleは大きな成長を遂げ、その変化を通して株主に大きく還元しています。SAPの場合は、この10年でたいした革新は見られません。SAPが革新的だったことが何かあるか考えてみてください。彼らが開発した業界初と言えるようなものや付加価値のあるテクノロジがあるでしょうか。SAPが最終的にどういう企業として知られるようになるのか、私にはどうにも想定できません。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ