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2chの哲学、異質な動画共有「ニコ動」として世界へ--ニワンゴ杉本社長に聞く

高瀬徹朗

2008-04-04 02:03

 優れたベンチャー企業を選出する「Tech Venture 2008」に選出されたニワンゴは、もはやベンチャー企業の枠に収まらないほど圧倒的な知名度を誇る。コミュニケーション型動画共有サイト「ニコニコ動画」はPCのID登録者数が600万人を突破し、勢いはとどまるところを知らない。ネットユーザーを中心に高い関心を集めるニワンゴのビジネスモデルと今後の展望について、同社代表取締役社長である杉本誠司氏に語ってもらった。

既存概念崩した「ユルいコミュニケーション」

--ニワンゴ設立の経緯を教えてください。

 もともとは「新しいメールサービス」を展開することを目的として2005年11月に設立しました。ドワンゴの人間と未来検索ブラジル関連記事)の人間が一緒になって、ドワンゴの公式携帯コンテンツの枠を飛び出し、エージェント的にユーザーニーズに応えていこうと考えたのがきっかけです。

 設立の10カ月ほど前から、周囲の人たちと「新しいケータイサービスとは何か」ということを考えてきました。その中で「メール」というキーワードに着目し、メールは利用度の割にさほど進化しておらず、これを使って何か新しい遊びができないかと考えました。

 そうした話し合いの中で生まれたのが「メール検索」というアイディアです。メールは基本対話型であり、そのインターフェースを崩さずにコンテンツを検索できるサービスを考え、「ではどのようなコンテンツが適切なのか」という検討へと拡がっていきました。

 通信キャリア公式サイトのプロバイダは品行方正さが求められますが、川上(量生氏=親会社であるドワンゴ会長)をはじめ我々の発想は「人と違うこと」。公式サイトの場合、容認する側に保守性があるため、さすがに大きくはずれたことはできません。ニワンゴはレギュレーションに縛られることのない一般サイトの道を選んだため、サービス内容、あるいは人材登用などの面においていい意味で既存概念を崩すことができました。

--「ニコニコ動画」が成功した要因をどう捉えていますか。

 ニコニコ動画は一般的なカテゴリで分けると「動画共有サービス」。しかし、特徴は動画再生軸と同時にコメントの書き込みができ、また表示されることです。これにより、コミュニケーションツールとしての性格を持たせることができました。

 いわば、動画視聴における「1対1」の枠組みをはずしたこと。ひとつの動画を多人数で共有することができるのが「ニコニコ動画」です。

 他の動画共有サイトでも実質的に同様の楽しみ方がされているとは思いますが、コメントによってあたかも同じ人と同じ場所で共有しているような感覚を成立させる。我々は「非同期コミュニケーション」と呼んでいますが、こうした「ユルい」コミュニケーションのとり方がネットユーザーにマッチし、成功へとつながったと分析しています。

 例えば電子メールなど、もちろん相手が存在する前提で発信しますが、必ず読んでもらえるという保証は担保されていない。それでも、メールコミュニティは発展してきました。ブログやSNSも然り。必ずしも同期のタイミングは一定ではありません。そのようなコミュニケーションが発達したことが「ニコニコ動画」成功の背景にあったと考えます。

--「ニコニコ動画」のサービス展開における経緯は。

 2006年12月、「ニコニコ動画(仮)」を投入しましたが、このときはニワンゴという名前は開示せず、プロトタイプの形式でした。しかし、非同期コミュニティがユーザーのツボをついたらしく、急激にユーザー数が増加しました。これを受け、2007年1月に「ニコニコ動画」(β)がオープン。このとき、ニワンゴが運営していること、ひろゆき氏の参加も明らかになり、ネット上で話題を集めました。

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