AMD、対インテル独禁法訴訟で新証拠を提出--黒塗りだらけの文書が公開に

文:Tom Krazit(CNET News.com) 翻訳校正:矢倉美登里、高森郁哉

2008-05-07 12:43

 Advanced Micro Devices(AMD)は米国時間5月5日、Intelに対するかつての申し立てを再び繰り返したが、Intelが行ったとされる不正行為の詳細は、黒いインクによる広範な塗りつぶしで隠されている。

 AMDは、係争中の対Intel反トラスト訴訟の一環として、大幅に修正した訴訟事件摘要書を提出し、Intelによって不正行為が行われたことを示す新たな具体的証拠があると主張したが、摘要書に書かれたほぼすべての具体的な証拠は黒く塗りつぶされていた。AMDは、Intelが脅迫や法外な価格設定によってPCベンダーやサーバベンダーにAMDのチップを製品に搭載しないよう強要したとして、2005年に訴訟を起こした。Intelはすべての申し立てを否定している。

 最初の申し立ての中で、AMDは、Intelが不正行為を行ったことを示す証拠があると主張したが、個人に対する具体的な申し立てを公開したり、Intelの戦略が実際どのように展開されたのかを説明したりすることはなかった。AMDは今回、少なくとも裁判所には証拠を提出したと主張しているが、特定の個人の名前が記載されているために、塗りつぶしが必要になった模様だ。摘要書はかなりの部分が読めなくなっている。私は、「Channel Register」の皮肉混じりの記事が気に入った。

 AMDの主任弁護士が「Wall Street Journal」紙に語ったように、同社は摘要書の中で「正確かつ詳細に」示していると主張しているが、摘要書の脚注は、申し立てを立証するには誰の証言が必要かを示しているように思える。たとえば、IntelとDellとの取引に関して具体的な(塗りつぶされているが)申し立てを行っているらしい最初の項に続き、AMDの弁護団は次のように書いている。「原告側は、これ(興味をそそる部分だが、塗りつぶされている)を立証するために、IntelとDellのさまざまな地位の関係者に証言させることが必要になる可能性が高い」

 今回の訴訟はまだ証拠開示の段階で、審理が始まるのはずっと先になりそうだ。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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