オリンピックがネットで見られるようになったワケ:その2(ZDNet Japanブログより)

サイバーエリアリサーチ

2008-06-06 19:47

■動画配信分野でのIP Geolocation利用のきっかけとなったオリンピック

 動画配信での地域制限は、オリンピックやワールドカップを初めとする世界的なスポーツイベントに端を発しているといえます。2000年シドニーのパラリンピックでは、史上初のネット放映権を米国メディアが取得しました。 一方のシドニーオリンピックは、IOC(国際オリンピック委員会)が、ネット放送は配信地域の管理ができないためテレビ放送の放映権を侵害するとして、ネット放送を全面的に禁止していました。

 その後、2002年のソルトレークオリンピックでは、ブロードバンドの普及に伴うネット放送を求める声の高まりと、ユーザーの位置を判別してネット配信の地域を制限できるIP Geolocation技術の精度の向上を視野に入れ、試験的なネット放送が行われました。 そして、この技術によってインターネット上でも配信地域の管理が可能であると判断された2004年のアテネオリンピックでは、多数のサイトからストリーミング配信されました。 2006年のトリノオリンピックでもインターネット放送が行われ、今年夏の北京オリンピックではNBCが2200時間分の映像をライブストリーミングするということです。

 また、アメリカでのメジャーリーグの生中継も2002年秋からIP Geolocationによって可能になりました。メジャーリーグのテレビ放送には、数兆円単位の放映権が支払われています。MLB.comでのインターネット放送は、テレビ放送の契約を侵害しないよう、動画配信地域を厳密に管理する必要がありました。 例えば、NYヤンキースの生中継はマンハッタンでオンライン配信してはいけないなど、細かい地域制限があり、IP Geolocationによるユーザーの位置情報なくしては厳密な制限が不可能でした。

全文はこちら--「「ズームイン!IPアドレス」ちょっとドメインも」

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]