アクティビスト投資家のCarl Icahn氏とMicrosoftは、米Yahooの現経営陣を追い出し、Icahn氏が推す新取締役候補者を選出して、Yahooの全社買収もしくは検索関連部門のみの買収への道を開くようにと、Yahoo株主に対し、米国時間7月7日に訴えかけた。
Yahooの現経営陣9人全員の交代を迫り、新しい取締役候補者の選出を求めているIcahn氏は、Microsoftの最高経営責任者(CEO)であるSteve Ballmer氏との会談の内容として、以下のような声明を発表した。
Steve氏は、もし新取締役候補者が選出されるならば、巨額の金銭的な見返りで、Yahooの「検索」事業を買収する、またはYahooを企業全体として買収するため、交渉に入る用意があることを、はっきりと私に伝えてくれた。予定通りの候補者が新経営陣に就任するならば、速やかにMicrosoftは交渉に応じるつもりであると、Steve氏は述べた。皆さまの多くが知っているように、こうした将来の取り引きを完全に保証することはできないものの、これまで私は、過去何年も数々の取り引きをまとめるのに成功してきた。もし選出された際には、新経営陣は受益者への義務を果たし、Yahooの全社売却案か、金銭的に好条件での「検索」事業売却案を、速やかに株主へと提示できると確信している。
その上、こうした一連のIcahn氏との会談内容について、わずか数分後にMicrosoftからも確証を得ることができた。Microsoftは、ここ数カ月の間、Yahoo買収を視野に入れた長期の交渉を進めたものの、このほど買収案を撤回するとの決断を下し、納得のいかない展開への不満を募らせていたが、現在は買収への興味を失ってしまったかに見えた。しかしながら、Microsoftは以下のような声明を出している。
われわれは、多額の金銭的条件でのYahooの「検索」事業の買収、もしくは全社買収のいずれの取り引きであれ、株主総会後に新経営陣と交渉することに興味を抱いている。
Yahooの株価は、午前の取引開始後に、約9%増となる23.35ドルまで急上昇した。
MicrosoftがIcahn氏を支援するとの発表は、Icahn氏が仕かける委任状争奪戦に、かなり有利に働く可能性はあるものの、今後の展開が明確に保証されたわけではない。
Microsoftから公式声明は出されたものの、8月1日に開かれるYahooの年次株主総会前には、買収提示額、条件、その他の詳細を一切明らかにしない状況で、どれほど投資家らを動かすものとなるかは、いまだ定かではない。Microsoftは、年次総会の前に、買収案に関する詳細情報を明らかにする予定はないと述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ