#4:詳細に対する注意力
詳細に対する注意力と好奇心は密接な関係にある。詳細に対して注意を払うプログラマーは、同レベルのスキルを持ちながらそういったことをしないプログラマーに比べて格段に生産性が高いのである。しかし残念なことに、採用時にこういった資質を見極めることはすこぶる難しい。とは言うものの、応募者のこういった資質が採用時に明らかになる場合もある。例えば、面接時に発せられる何気ない言葉や、その場で起こるちょっとした出来事から判断できることもあるのだ。
具体的な例を挙げると、私が以前に行った面接において、私の着ていたシャツをさりげなく誉め、自身もそのデザイナーの服を気に入っていると述べた応募者がいた。彼のこの行為は、彼に(ファッションセンスだけではなく)細部への注意力があるということを雄弁に語っているのである。そしてもちろん、細部への注意力の欠如が明らかな場合もある。ズボンのボタンが留まっていない、あるいは靴にトイレットペーパーがへばりついているといった身なりで面接の場に現れる応募者は、細部にまで注意を払っていないのだ!
#5:プログラミング以外のことに対する飲み込みの早さ
あなたの会社がコンパイラやIDEといったプログラミングツールを開発しているのでない限り、あなたの会社で働くプログラマーは、プログラミングという領域を離れたプロジェクトで仕事をしていることになる。記者が記事のテーマに関して少しは理解していなければならないのと同様に、あるいは教師が担当科目についての役に立つ知識を必要としているのと同様に、優れたプログラマーは、自らの開発するソフトウェアが使用される環境について学ぶ能力を持っている必要があるのだ。もちろん、会計ソフトを開発するからといって、コンピュータ科学の学位に加えて公認会計士の資格も必要になるというわけではない。しかし、基本となる数学や、業務知識を理解できないプログラマーは、会社にとって重荷となるはずである。
私は、採用選考の最終段階に残った応募者に対して自社を案内し、業務の概要について簡単かつシンプルに、平易な言葉で説明することにしている。そして、私が話していることについて理解したことを示すような的確な質問を行う応募者や、他の方法で理解したことを示すような応募者に対して、最終的な採用選考で点数を上乗せするのである。