DisplaySearchが米国時間3月12日に発表したレポートによると、有機発光ダイオード(OLED)照明は、Phillipsとすぐ後を追うGEの先導で少量のサンプル製品から大量生産へと移行し、急増するという。このレポートは、DisplaySearchでディスプレイ技術責任者を務めるJennifer Colegrove氏がまとめたものだ。
OLED照明急増の波は2011年から始まるという。
OLEDを使ってこれまでに実現したクールな技術について、Colegrove氏に異論を唱える人はいない。その点で同氏の見方は正しい。
Colegrove氏はレポートで次のように述べている。「面で発光するOLED照明デバイスは、筒状に巻けるほどの柔軟性が実現可能で、さらには窓のように透過させたり、鏡のように反射させたりもできる。OLED照明は薄くて丈夫で軽く、点灯が速い。動作する温度範囲が広く、ノイズを発生させず、環境に優しい。OLED照明の電力効率も、この数年で劇的に向上している」
「OLEDの明るい未来」についてレポートを発表しようと考える人は、毎年のように出てくる。
ただ、今年の場合は景気後退の影響が大きいのか、2年前にOLED支持者が言っていたことと比べると将来はそれほど明るくない。
データの出どころは別々の調査会社だが、2007年と2009年に発表されたOLEDディスプレイに関する数字の違いをどうしても見比べたくなる。
2007年2月にNanoMarketsは、OLEDディスプレイの市場規模が2014年までに約72億ドルに到達すると予測した。一方、DisplaySearchは2009年2月のレポ―トで、OLEDディスプレイ市場は2015年までに60億ドル規模に到達すると予測している。
書かれた数字のわずかな違いに見えるかもしれない。しかしそれは、ずいぶん大量の携帯電話ディスプレイの生産をどこかがやめようとしているということなのだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ