パーソナライズの自動化
Microsoftが継続して手を加えている領域の1つに、サイトをどの程度パーソナライズするかという点がある。これは同社にとってバランスが難しい問題になってきた。Microsoftが提供してきたサービスの1つである「Start.com」(後の「Live.com」)ページでは、空白のカンバスからスタートして、ユーザーが各種のコンテンツモジュールを埋め込むことができた。しかし、ニッチな層にしかアピールしないことが明らかになった。
「そのレベルのサービスを活用することに興味を持つ人の数は限られている」と、Jorgensen氏は述べた。John Nicol氏が辞職した2008年以降、MSNのトップを代行するJorgensen氏は、Microsoftのローカル検索やモバイル検索における取り組みも継続して率いている。
MSNは最近、ユーザーの人口統計区分に基づいてコンテンツの「クラスタリング」を行うMicrosoftのソフトウェアアルゴリズムと機械学習に依存している。
Microsoftはまた、人間ではなくソフトウェアを利用して、どの記事をMSNのどの位置に掲載するかを決めるのに役立てようとしている。MSNの改良版では、同社の編集者が1日に4度ページを更新する代わりに、どの記事がユーザーにクリックされているかがフィードバックされたデータに基づいて、ほぼ休みなく更新されるようになる。
Jorgensen氏は究極の目標として、Yahooよりソフトウェアのノウハウを備え、Googleより人間的なサイトを作ることを目指している。
MSNの変更の一部は、すでに世界のさまざまな地域で試験が実行されている。たとえばフランスでは、Microsoftはチャンネル数を減らして目立つ動画を増やした新しいユーザーインターフェースをテストしている(記事上部の画像を参照)。またブラジルでは、MSNをより大幅に作り変えて、ユーザーが動画をドラッグして友人同士で共有できるソーシャルメディアバーを備えている(記事下部の画像を参照)。
ただしMicrosoftは今も、どのくらい抜本的な変更を加えるべきか、そうした変更をどの程度の段階を経て展開する必要があるかを検討している。
Microsoftはまた、どこまでユーザーを分類するかについても試行錯誤を続けている。たとえば、ユーザーが「Windows Live Messenger」にログインすると、同社は「MSN Today」画面を表示する。Microsoftは過去3カ月の間、ユーザーが男性か女性か、また25歳より上か下かによって、4種類の異なる画面を表示してきた。
同社はまた、米国内の一部ユーザーに対し、MSNにアクセスすると標準のホームページを表示するか、またはエンターテインメントのみのバージョンにする選択肢も提供していた。
「1つのサイズが万人がフィットすることはあり得ない」(Jorgensen氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。原文へ