APC、中容量UPS拡充--仮想化で複雑になった環境には「1システム1UPS」で対応

田中好伸(編集部) 2009年07月16日 21時24分

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 電源やラックなど物理インフラを提供するエーピーシー・ジャパン(APCジャパン)は7月16日、中容量(6〜30kVA)の無停電電源装置(UPS)を拡充、3製品7機種を同日から順次発売することを発表した。

 今回発表された中容量のUPSは、単相3線入力の「Smart-UPS RT 600」と単相200V入力の「Smart-UPS RT 14k/18k」、三相200V入力の「Smart-UPS VT」(タワー型20/30kVA、ラック型20/30kVA)になる。

 Smart-UPS RT 600(価格は100万2330円、発売日は9月30日)は、単相3線入力100V/200V入出力の常時インバータ方式、6000VA/4200WのUPSだ。大きさは3Uで、100V/200Vの両方の出力が可能になっている。タワー型とラック型のどちらでも利用できる。外付けの拡張バッテリパックを搭載することで、必要に応じてランタイムを延長できるようになっている。

 UPS用のネットワークインターフェースカード「Network Management Card」が内蔵されていることで、UPSの遠隔監視・管理が可能だ。別売りの管理ソフト「PowerChute Network Shutdown」を活用すれば、サーバOSの安全な停止ができるようになっている。

 Smart-UPS RT 14k/18k(価格は211万9215円〜、発売日は9月30日)は、単相2線で200Vを出力するUPS。大きさは12Uで、こちらもタワー型とラック型の両方で利用できる。14kVA/12kWと18kVA/16kWの2つのモデルが用意されている。Smart-UPS RT 600と同様に、Network Management Cardを内蔵、またPowerChute Network Shutdownを活用することも可能だ。

 Smart-UPS RT 14k/18kが向いているのは、中小規模のデータセンターやサーバルームで、集約されたサーバやネットワークストレージ、高密度の電源容量ラックなどだ。また、これ以外にもVoIP周辺、スイッチやルータのUPSとしても活用することができる。それらとは別に、遠隔地にある支店のUPSとしても向いているという。

 Smart-UPS VT(価格は326万9175円〜、発売日は7月16日)は、三相200Vの電源環境に適したオールインワンタイプのUPS。主要な電源回路がモジュール化されており、内蔵の保守バイパス回線に切り替えることで負荷停電することなく、交換することができるようになっている。バッテリモジュールは、ホットスワップでUPSの運転中でも交換、モジュール増設することが可能だ。

 Smart-UPS VTが向いているのが、小規模のデータセンターやサーバルームのほかに、バックオフィスや小売店、支店などだ。コンビニエンスストアといった小売店はレジやPOS端末などが設置されており、加えて監視システムやATMなどのハードウェアも置かれている。こうした小売店でのUPSにも向いているとしている。このほかに医療診断機器のUPSとしても最適と同社は説明している。具体的な診断機器としては、コンピュータ断層撮影装置(CT)や磁気共鳴診断装置(MRI)を挙げている。

 今回中容量UPSを拡充したのは、大きく分けて3つの背景があるためと、APCジャパンは説明している。(1)ブレードサーバ普及による電源容量の大型化、シャットダウン時間の長時間化、(2)「1システム1UPS」で電源管理を簡素化、(3)データセンターへの集約に伴うグリーンな電源利用への要求――という3つの背景だ。

 (1)についてAPCジャパンは、この数年で普及したブレードサーバを中心とした高性能なサーバの導入でサーバの統合が進むとともに、以前よりも高い消費電力環境に対応するために、UPSに要求される電源容量も大型化していると説明する。加えて、仮想化技術の発達で、単一のマシンでさまざまなアプリケーションが稼働するようになっていることも事実である。

 従来であれば、アプリケーションごとに別々のサーバで稼働していたのに対して、現在は、単一のマシンに複数のアプリケーションが稼働するようになっており、システムとしての可用性は以前よりも求められるようになっている。そうしたシステムの電源が障害を起こして停止する際には、稼働する複数のアプリケーションを完全に停止させるために、従来よりも長いシャットダウン時間が要求されるようになっているという。今回の同社の中容量UPSは、そうした電源容量の大型化、シャットダウン時間の長時間化に対応するものだとしている。

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