NRIセキュアテクノロジーズは8月7日、セキュリティ基準審議会(PCI SSC)の認定スキャニングベンダー(ASV)として、個人情報を扱うシステムの脆弱性を診断する「PCI DSS認定スキャンサービス」の提供を開始すると発表した。
PCI DSS認定スキャンサービスは、クレジットカードなど個人情報を扱うシステムの脆弱性を検出するソリューション。同サービスでは、「PCI DSS準拠支援スキャンパッケージ」と、「PCI DSS維持支援スキャンパッケージ」の2種類のパッケージが提供される。
PCI DSS準拠支援スキャンパッケージは、新規にPCI DSSに準拠するために必要な認定スキャニングベンダーの脆弱性スキャンを実施し、対策支援と再スキャンを通じて認定を支援する。PCI DSS維持支援スキャンパッケージは、PCI DSS準拠の維持に必要な四半期ごとのスキャンを実施する。
PCI DSS準拠には、クレジットカードブランド5社で構成するPCI SSCが定めたグローバルセキュリティ基準(PCI DSS)内の「ASVによるシステムの脆弱性スキャン」の実施が義務付けられており、両パッケージでは、「脆弱性スキャン」「無線LAN調査」「ペネトレーションテスト」を提供し、ユーザー企業のPCI DSS準拠を支援する。
脆弱性スキャンでは、サーバ機器やネットワーク機器、ウェブアプリケーションに対してスキャンを実施し、PCI DSSに基づいたセキュリティレベルに達しているか確認する。具体的には、ウェブアプリケーションのSQLインジェクション脆弱性やクロスサイトスクリプティング脆弱性などを調査する。無線LAN調査では、意図しない無線LANアクセスポイントが設置されていないかを検査する。ペネトレーションテストでは、ネットワーク上のシステムに対して疑似攻撃を実施し、脆弱性や攻撃の可能性を調査する。
NRIセキュアテクノロジーズは、PCI DSSの評価機関「QSA」(Qualified Security Assessor)としても認定されており、PCI DSSの準拠状況を審査、認証する「PCI DSS準拠支援サービス」も提供している。同社では、PCI DSS認定スキャンサービス合わせて、PCI DSS準拠のためのワンストップソリューションを提供する意向。販売開始から1年で5000万円の売り上げを目指すとしている。