イーベイ、スカイプ株式の65%売却を発表--売却総額は約20億2500万ドル

文:Steven Musil、Jonathan Skillings(CNET News) 翻訳校正:湯木進悟

2009-09-02 07:11

 eBayは米国時間9月1日、インターネット電話サービスのSkypeを、Marc Andreessen氏の設立したベンチャーキャピタルグループを含む投資家グループへと売却する方針を正式に発表した。

 この取引でeBayは、現金で約19億ドルを手にするほか、買い手から約1億2500万ドルの額面の証券などを受け取るため、今回の売却総額は20億2500万ドルに上ることになる。すべての取引は2009年第4四半期中に完了する予定だ。

 Skypeの株式の約65%を保有することになる投資家グループは、Silver Lakeが中心となっており、Index Ventures、Andreessen Horowitz、Canada Pension Plan Investment Boardなどが含まれている。Skypeの株式の残る35%は、引き続きeBayが保有する。

 今回の取引において、今後数カ月以内に新規株式公開(IPO)が行われると見られるSkypeの企業価値は、27億5000万ドルに相当するとの評価も算出されている。

 Skypeの売却をめぐっては、しばらく前から予測が流れていた。1日に正式発表された投資家グループへの売却については、The New York Timesが8月31日付けの記事で報じていた。

 ベンチャーキャピタルグループのAndreessen Horowitzは、Netscapeの創設者でありOpswareの共同創設者でもあるMarc Andreessen氏と、Opswareの共同創設者であるBen Horowitz氏によって、新たに7月に設立された。

 eBayは、顧客がリアルタイムに(eBay上での)売買について話し合えるようにと、2005年に26億ドルを支払ってSkypeの買収へと踏み切ったものの、今回の売却により、その当初の計画通りには事が運ばなかったことを認めた形だ。Skypeの買収から4年の歳月が流れた現在、eBayは、見込まれていたような利益をもたらす買収とはならなかったことに気づいたようである。

 eBayの社長兼最高経営責任者(CEO)であるJohn Donahoe氏は「単独で強力な事業となるSkypeだが、われわれのeコマースやオンライン決済事業とのシナジー効果という面では成果を見込めなくなった。今後もSkypeは独立した企業として、オンラインの音声および動画コミュニケーション分野における競争を勝ち抜くことに焦点を合わせ、その成長速度を増していくに違いないと確信している」との声明を9月1日に発表した。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    迫るISMS新規格への移行期限--ISO/IEC27001改訂の意味と求められる対応策とは

  2. セキュリティ

    警察把握分だけで年間4000件発生、IPA10大脅威の常連「標的型攻撃」を正しく知る用語集

  3. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  4. セキュリティ

    マンガで分かる「クラウド型WAF」の特徴と仕組み、有効活用するポイントも解説

  5. ビジネスアプリケーション

    生成 AI 「Gemini」活用メリット、職種別・役職別のプロンプトも一挙に紹介

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]