eBayは米国時間9月1日、インターネット電話サービスのSkypeを、Marc Andreessen氏の設立したベンチャーキャピタルグループを含む投資家グループへと売却する方針を正式に発表した。
この取引でeBayは、現金で約19億ドルを手にするほか、買い手から約1億2500万ドルの額面の証券などを受け取るため、今回の売却総額は20億2500万ドルに上ることになる。すべての取引は2009年第4四半期中に完了する予定だ。
Skypeの株式の約65%を保有することになる投資家グループは、Silver Lakeが中心となっており、Index Ventures、Andreessen Horowitz、Canada Pension Plan Investment Boardなどが含まれている。Skypeの株式の残る35%は、引き続きeBayが保有する。
今回の取引において、今後数カ月以内に新規株式公開(IPO)が行われると見られるSkypeの企業価値は、27億5000万ドルに相当するとの評価も算出されている。
Skypeの売却をめぐっては、しばらく前から予測が流れていた。1日に正式発表された投資家グループへの売却については、The New York Timesが8月31日付けの記事で報じていた。
ベンチャーキャピタルグループのAndreessen Horowitzは、Netscapeの創設者でありOpswareの共同創設者でもあるMarc Andreessen氏と、Opswareの共同創設者であるBen Horowitz氏によって、新たに7月に設立された。
eBayは、顧客がリアルタイムに(eBay上での)売買について話し合えるようにと、2005年に26億ドルを支払ってSkypeの買収へと踏み切ったものの、今回の売却により、その当初の計画通りには事が運ばなかったことを認めた形だ。Skypeの買収から4年の歳月が流れた現在、eBayは、見込まれていたような利益をもたらす買収とはならなかったことに気づいたようである。
eBayの社長兼最高経営責任者(CEO)であるJohn Donahoe氏は「単独で強力な事業となるSkypeだが、われわれのeコマースやオンライン決済事業とのシナジー効果という面では成果を見込めなくなった。今後もSkypeは独立した企業として、オンラインの音声および動画コミュニケーション分野における競争を勝ち抜くことに焦点を合わせ、その成長速度を増していくに違いないと確信している」との声明を9月1日に発表した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ