Sun Microsystemsが米証券取引委員会(SEC)に提出した書類によれば、欧州委員会は今回の買収に反対する声明を発表したという。本案件における唯一の懸案事項はオープンソースの「MySQL」データベースソフトウェアである、とSunは提出書類で述べた。
「異議告知書(Statement of Objections)では、SunのオープンソースのMySQLデータベース製品とOracleの企業向けデータベース製品の組み合わせ、そしてそれがデータベース製品市場の競争に及ぼすかもしれない悪影響に関する、そしてそれに限定された欧州委員会の初期評価が提示されている」とSunは提出書類で述べた。
だがOracleは、この異議告知書は「データベース業界の競争とオープンソースの力学の両方に関する全くの誤解を露呈している」と述べ、直ちに反撃を開始した。そして、Oracleは、欧州委員会が審議をしている間、ほかの技術の進歩が止まってしまうことを指摘し、「OracleによるSun買収は、ハイエンドのサーバ市場における競争、『SPARC』と『Solaris』の活性化、そして『Java』開発プラットフォームの強化にとって、不可欠なことである」と述べた。
その一方で、米司法省は今回の買収は独占禁止法に抵触しないとの見解を繰り返した。しかし、Oracleと欧州委員会の見解の大きな隔たり、そしてOracleがMySQLソフトウェアグループの分社化に前向きでないことを考えると、この問題の解決には時間がかかりそうだ。
MySQLはオープンソースのソフトウェアである。つまり、コンピュータが実際に実行するソフトウェアパッケージの根底にある人間が読み取れるソースコードを、誰もが閲覧、修正、配付することができるのだ。Oracleの中核的なデータベース製品はプロプライエタリなので、そうした自由は認められていない。MySQLはFacebookやGoogleを含むさまざまな企業で幅広く使用されており、Oracle製ソフトウェアの適性がそれほど高くない新しい市場に進出することで、間接的にではあるが、ある程度、Oracleの既存製品と競合している。