OSSTech、OpenLDAPを製品パッケージ化--性能向上で商用版からの置き換え狙う

田中好伸(編集部)

2009-11-20 16:02

 オープンソース・ソリューション・テクノロジ(OSSTech)は11月20日、オープンソース(OSS)のディレクトリサーバ「OpenLDAP 2.4」をLinuxとSolaris、AIX向けに製品パッケージとして提供を開始したことを発表した。

 製品名は「OpenLDAP for Linux/Solaris/AIX」、価格は1ノードあたり10万5000円、サポート料金は、システム単位で年間25万2000円。

 OpenLDAPは、多くのLinuxディストリビューションに標準で同梱され、近年利用者が増えている。だが、同梱されるOpenLDAPはバージョンが古く、商用のディレクトリサーバの置き換えには品質や機能、性能面で不安を持つユーザー企業が多いという。

 OSSTechは商用のディレクトリサーバの置き換えに可能にする「マルチマスタ」と呼ばれる機能に対応した、最新のOpenLDAP 2.4を製品パッケージとしてLinux、Solaris、AIX向けに提供する。マルチマスタとは、冗長化された複数のディレクトリサーバが互いに内容を複製しあう仕組みで、どのディレクトリサーバも更新可能だ。前版のOpenLDAP 2.3まではシングルマスタだったために、単一のディレクトリサーバだけが更新可能となっていた。

 製品化では、マルチマスタ機能の品質や性能を検証。商用ディレクトリサーバからの置き換えを促進するために、OpenLDAPのキャッシュ検索アルゴリズムを改良して、オリジナルのOpenLDAPよりも性能を向上させたとしている。商用Linuxディストリビューションに同梱されるOpenLDAPの同時接続数は1024や4096という制限があるが、OSSTechの製品では、16384までの同時接続が可能になっている。

 対応するOSは、Red Hat Enterprise Linux 5、Solaris 1(SPARC/Intel)、AIX 6.1、CentOS 5。いずれのOSに対してもRedHat Package Manager(RPM)形式で提供される。

 同社が製品パッケージと構築支援サービスとサポートを提供するOSSのシングルサインオン(SSO)製品「OpenSSO」のユーザーリポジトリを利用することで、Google AppsやSalesforceといったSAML(Security Assertion Markup Language、IDやパスワードといった認証情報を安全に交換するためのXML仕様)対応のクラウドサービスと、従来のBASIC認証やFORM認証を使ったアプリケーションのSSOをすべてOSSで実現できるとしている。

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