NTTデータは1月22日、同社が4月より提供開始する予定のクラウドサービス「BizCloud」の詳細について説明会を開催し、一部のサービスを2月より先行して提供すると発表した。
BizCloudとは、NTTデータが2009年12月1日に発表した新ブランドで、同社グループの持つシステム構築の知識を応用したクラウドソリューションをインフラからアプリケーションまで総合的に提供するものだ。NTTデータ 代表取締役常務執行役員の山田伸一氏は、BizCloudについて「システムインテグレーターとして長年培ってきたプロジェクトマネジメント力を応用した、安心かつ安全で、信頼のおけるクラウドサービスだ」とアピールする。
BizCloudは、「クラウド構築・運用サービス」と「クラウドプラットフォームサービス」の2つのメニューで構成される。
クラウド構築・運用サービスでは、個別企業の要件に合わせたプライベートクラウドや、特定の企業による共同利用型のコミュニティクラウドを提供する。クラウドプラットフォームサービスでは、さまざまな企業が共同で利用するパブリッククラウドを提供する。
クラウド構築・運用サービスで提供される具体的なサービスは、「最適化コンサル」「マイグレーション」「クラウド構築」「運用管理」の4つとなる。このうち、最適化コンサルとマイグレーションの2つのサービスを2月より提供するという。
最適化コンサルサービスは、経営戦略、業務オペレーション、ITといった3つの視点を組み合わせて業務のあるべき姿を描き、変革を行うためのロードマップを策定する。マイグレーションサービスでは、コンサルティングから移植後の動作試験までの全工程を通じ、現行システム資産の移植サービスを提供する。
また、クラウド構築サービスと運用管理サービスは4月に提供を開始する。
クラウド構築サービスは、プライベートおよびコミュニティクラウドとしての共通基盤環境を構築するもので、ERPなど基幹業務での利用を想定した大規模向けのプラチナクラスと、SLAやスタック、スケーラビリティなどの選択が可能なゴールドクラス、クラウドプラットフォームサービスと同一のスタックをそのまま提供するシルバークラスが用意される。また、プライベートクラウド上だけで処理できない突発的なトランザクションが発生した場合、パブリッククラウドと連携して回避できるような「ハイブリッドクラウド」も提供していく考えだ。
運用管理サービスは、共通の運用管理基盤のもと、リモートからの一元的な運用サービスを提供するほか、プロビジョニング、システム投資のタイミングの見える化、NTTデータの開発管理ツール「Hinemos」などにより、BizCloudの各サービスを一元的に管理する。
山田氏によると、同社のクラウドビジネスの軸は4つ。中国や欧米、インドを中心とした海外でも事業展開することと、BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)領域を拡大すること、安全と安心を追求すること、そしてNTTデータとグループ企業も含めた強みを結集することだ。こうした取り組みによりNTTデータでは今後も積極的にクラウドビジネスを展開し、現在同社で数百億円規模というこのビジネスを「3年後には1000億円レベルのビジネスにまで成長させたい」(山田氏)としている。