TED、MapReduceベースのDWHエンジンとデル製サーバをパッケージ化

田中好伸(編集部)

2010-02-17 18:17

 東京エレクトロン デバイス(TED)は2月16日、オープンソース(OSS)のデータウェアハウス(DWH)用データベース(DB)エンジン「Greenplum Database」とデル製サーバをパッケージ化した製品の販売を開始した。4月1日から受注を受け付け、5月17日から出荷する。

 Greenplum Databaseは、PostgreSQLに「シェアードナッシングアーキテクチャ」を拡張することで、複数のPostgreSQLインスタンス間の通信を可能にし、システムを一つの論理DBとして動作させる。並行クエリ実行、並列データロードで、大規模DWHを構築できるとされている。

 分散処理技術「MapReduce」をベースにした独自技術を実装し、クエリだけでなくプログラムの並列処理も可能なことから、開発リードタイムを短縮できるという。キーワード分析やコンテンツ索引化など、さまざまなアプリケーションで大規模な非構造化データ分析も投資を抑えて高速化できるとしている。必要に応じてIAサーバを増やすだけでシステム全体の処理性能向上を図られると説明する。

 今回のパッケージに活用されるサーバはデルの「PowerEdge R150」。最大12基のハードディスク(HDD)を組み込めることから、大規模なデータを取り扱うGreenplum Databaseとの親和性が高く、DHWシステムの性能最適化に貢献できるとしている。

 パッケージの最小構成は、マスターホスト用としてPowerEdge R150が1台、セグメントホスト用としてPowerEdge R150が2台、サーバ間を結ぶインターコネクトスイッチとして「Arista7000」1台、これにGreenplum Databaseのライセンスという構成になる。価格は、16CPUコア、物理容量がSATA48テラバイト(SASで14.4テラバイトモデルも選択可能)の最小構成で2200万円(税別、初年度保守料込み)となっている。

 今回のパッケージ化で最適にサイジングされたサーバを提案でき、DWH構築のシステム設計時間を大幅に短縮できるという。TED社内にパッケージと同環境のシステムを構築して、迅速な支援が可能だとしている。

 TEDは、今回のパッケージを「企業のプライベートクラウド環境におけるスケーラブルDWHソリューション」と表現する。ネット関連企業や通信事業者を中心に、ユーザー行動分析のようなアクセスログ分析用途、プライベートクラウド環境構築の基盤として提案していく。DWHインフラの設計から導入、構築、検証支援までサポートするとともに、導入後の設定チューニング支援といった運用支援でも提案していく方針だ。

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