NECは3月24日、ウェブアプリケーションに対して、セキュリティの脆弱性を診断して改善提案を行う「Webアプリケーション脆弱性診断サービス」の内容を拡充すると発表した。低価格な料金体系を設定するとともに、診断で発見された脆弱性への対応ソフト適用サービスを開始する。
同社によると、最近ではウェブアプリケーションを展開する企業から、年に複数回の「定期診断」を受けたいとの要求が高まっているという。今回のサービス拡充では、そうしたニーズに対応するため、同一案件で1年以内に2回以上の診断を受ける顧客を対象に、2回目以降の再診断1回分の料金を初回診断の半額にした低価格セットを設定した。価格は、対象システムの規模などにより個別見積もりとなる。同一年内2回目以降の診断が半額になるのは、複数回を一括発注する場合に限られるという。同体系は、4月5日より提供される。
また、診断で脆弱部分が発見された場合、NECが独自に開発した新たな脆弱性対応ソフト「IncidentArmor」を適用するサービスを開始する。同社ではIncidentArmorの適用により、「対象部分を迅速に保護し、顧客がシステムのバージョンアップなどの時機に、ウェブアプリケーションを改修するまでの間、発見された脆弱性に一時的に対処できる」としている。これまでの脆弱性診断サービスでは「ウェブアプリケーションの脆弱性が発見された後、脆弱性への対応は顧客自身が行うのが一般的だった」(NEC)という。
同社は脆弱性診断に「IBM Rational AppScan」を用いており、IncidentArmorは同製品の診断結果と連動して動作する。AppScanが発見した脆弱性に、危険なコードを含むリクエストが到達しないように処理することが可能という。また、IncidentArmorは、AppScanで発見された脆弱性に対してだけ効力を発揮するという技術を用いており、脆弱性がない他の部分には影響を与えないとしている。同サービスの価格は適用環境に応じて個別見積もりとなる。このソフトウェア適用サービスは7月7日から提供が開始される。
NECは、今回のサービス拡充により、ウェブアプリケーションを活用している流通業、金融業、製造業、官公庁、医療機関などを中心とする領域への浸透を図っており、今後3年間で400社へのサービス販売を目指すとしている。