サプライチェーン管理(SCM)ソリューションを世界的に展開する米JDA Softwareの動向が注目を集めている。同社は2009年冬に米i2 Technologiesの買収を発表、SCM分野での存在感を高めているのだ。大手ITベンダーが次々と専業ベンダーを買収して総合力を高めるなか、同社はより独自性を発揮する方向にかじを取った。来日した同社社長兼CEOのHamish Brewer氏に戦略を聞いた。
不況下でも発揮されるSCMの効力
依然として厳しい経済状況とIT投資についての見解は?
Hamish:経済状況が厳しいなか、IT投資は見直されているようです。ただし、全面的にストップしているわけではなく、決定済みの案件の再評価や、ERPなどの多年にわたる大規模プロジェクトの一時停止といった例があったようです。しかし、逆にITを活用して情報システムの効率や投資対効果を向上させようという取り組みが、より注目されています。最近は、IT投資を5年程度で回収するなどの長期的なスパンでの投資が望まれていません。1年か半年で回収できるようなシステムに関心が集中しているようです。
JDA SoftwareがフォーカスしているSCMは、経済的価値を高くできる可能性が大きい。SCMによって企業は在庫を最適化でき、1年程度の短期間で運転資金の10~25%を現金や商品に換えられるのです。