i2 Technologiesの買収には地域や市場、技術、製品の獲得などが考えられるが、真意は何か?
Hamish:当社は2006年に米Manugisticsを買収しましたが、これは対応できる市場を拡大したかったからです。JDA Softwareは食品、飲料、医薬品をはじめとするプロセス型製造業向けの製品に強かったのです。
反対にi2 Technologiesはディスクリート型製造業に強みを持ちます。製造業はこの2種類にほぼ二分されるので、世界市場全体を包括的に捉える上で、双方の製造業に対応できることが重要になります。2社を統合したことで、我々はどちらも守備範囲とすることができるようになりました。i2 Technologiesの統合により、当社は世界でも最大級のSCMベンダーになり、市場での地位を強化しました。
経済的にはアジア太平洋地域の重要性が高まっている。なかでも中国市場に注目が集まっているが、同国での戦略は?

JDA Software アジア太平洋地域担当副社長 Stephen McNulty氏:アジア地域は生産拠点が多いため、SCMがより必要とされています。この地域では実際、日本、中国、韓国、インドなどの各国で、SCMへの需要が高くなっています。
Hamish:我々はアジア太平洋地域の各国を同じ視点で見ているわけではありません。各国ごとに求められている需要や条件が異なるからです。例えば、中国と日本では必要とされる要素がまるで違います。だから市場別にそれぞれに適合した戦略を考えています。
JDA Softwareは中国と日本で成功しているといえますが、その理由は異なっているのです。中国では、多くの企業がSCMを初めて採用しようとしている段階です。一方の日本では、10年以上もSCMを活用している企業が多数存在します。また、従来のSCMがかつてのような競争力を発揮できなくなり、新しくしようと検討している段階でもあります。
このように両国は状況こそ異なっていますが、共通しているところもあります。それは市場が動的だという点です。市場がダイナミックに動く環境では、過剰なIT投資はリスクを伴います。しかし、まったく投資しなければビジネスチャンスを失いかねません。バランスの良い投資をすることが肝要ではないかと思います。