マイクロソフトがWindows 7の重大な未修正セキュリティホールについて警告

文:Ryan Naraine(Special to ZDNet.com) 翻訳校正:石橋啓一郎

2010-05-19 14:43

 Microsoftは米国時間5月18日にアドバイザリを公開し、同社の最新OSに、ユーザーをコード実行攻撃とサービス妨害攻撃にさらす可能性のある、深刻な脆弱性が存在すると警告した。

 この脆弱性は、Windows 7とWindows Server 2008 R2にのみ影響するもので、Microsoftのアドバイザリが公開される前にも公の場で議論されていたが、同社はこのセキュリティホールを悪用する攻撃の事例は報告されていないと述べている。

 この脆弱性は、デスクトップコンポジション機能がWindows Graphic Device Interface(GDI)とDirectXの描画を合成する際に使用しているCanonical Display Driver(cdd.dll)に見つかったものだ。

 MSRCブログにはさらに詳しい情報が掲載されている。

 コードの実行は理論上は可能だが、カーネルメモリ内とAddress Space Layout Randomization(ASLR)で提供されるメモリのランダム化によって、非常に難しくなっている。それに加え、この脆弱性はAeroのテーマがインストールされたWindowsシステムにしか影響がない。Aeroは、Windows Server 2008 R2ではデフォルトで無効になっており、さらにAeroが利用できるグラフィックスドライバもデフォルトでは含まれていない。

 Microsoftの考えでは、ほとんどのシナリオでは、攻撃者がこの脆弱性を利用することに成功した場合、影響を受けたシステムは応答しなくなり、自動的に再起動する可能性が高いという。

 同社は、セキュリティ対応プロセスを始動しており、調査終了後にパッチを提供すると約束している。

 それまでの間、影響を受けるWindows 7やWindows 2008 R2のユーザーは、この問題が悪用されるのを防ぐため、Aeroテーマを無効にすることを検討すべきだ。

 テーマを変更してWindows Aeroを無効にするには、システム上の各ユーザーについて、以下の手順を実行すればよい。

  1. スタートボタンをクリックし、[コントロール パネル]を選択、その後[デスクトップのカスタマイズ]をクリックする。
  2. [個人設定]のカテゴリーから、[テーマの変更]をクリックする。
  3. リストアップされたテーマを最後までスクロールし、[ベーシックテーマとハイコントラストテーマ]の中から1つを選ぶ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    警察把握分だけで年間4000件発生、IPA10大脅威の常連「標的型攻撃」を正しく知る用語集

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. セキュリティ

    「2024年版脅威ハンティングレポート」より—アジアでサイバー攻撃の標的になりやすい業界とは?

  4. ビジネスアプリケーション

    Microsoft 365で全てを完結しない選択、サイボウズが提示するGaroonとの連携による効果

  5. セキュリティ

    生成AIを利用した標的型攻撃とはどのようなものなのか?実態を明らかにして効果的な対策を考える

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]