シトリックス・システムズ・ジャパンは6月3日、NTTコムウェアが構築するエンタープライズクラウドサービス「SmartCloud」に、同社のデスクトップ仮想化ソリューションを提供したことを発表した。
NTTコムウェアでは、キャリアグレードの信頼性とサービスレベルをマルチサイトで実現するクラウドサービスとして、SmartCloudの構築を進めている。同社はこのSmartCloud上で、まず社内にDaaS(Desktop as a Service)環境を展開した。シトリックスはこのDaaS環境に、今回「Citrix XenDesktop」、「Citrix XenApp」、「Citrix XenServer」によるデスクトップ仮想化ソリューションを提供。これにより、SmartCloudでのセキュリティをはじめ、ITガバナンスの確立、TCO削減などの課題の解決に貢献したとしている。
シトリックスは、約4700ユーザーが利用するNTTコムウェアのDaaS環境に対して、XenAppによる公開デスクトップを通じて、アプリケーション配信を利用する仕組みを構築した。さらに、より高度なデスクトップ環境を利用するユーザーには、XenDesktop、XenServerによる仮想デスクトップを提供することで、ユーザーの要望に柔軟に対応するとともに、情報資産の漏えいの防止対策も実現したとしている。
その他、各ユーザーが行っていたセキュリティパッチの適用やソフトウェアのアップデートがサーバ側で一括して実施できるようになった。また端末の故障時にもXenApp、XenDesktopであれば、データやアプリケーションがサーバ上で管理されているため、新しい端末に交換するだけですぐに業務を再開できるようになったことなどをDaaS環境の導入効果として挙げている。
今回の採用の理由としてシトリックスでは、以前からNTTコムウェアにてXenAppがWAN環境の高速化を目的に利用されており実績が評価されたことと、XenDesktopでデスクトップ環境が容易にカスタマイズできる点を挙げている。導入にあたっては、XenAppの同時接続ユーザーライセンスを2倍の数のXenDesktop 4ユーザーライセンスに交換できるシトリックスの期間限定キャンペーン「XenDesktop 4トレードアッププログラム」を活用し、1人あたりのコストを削減したという。
シトリックスでは、NTTコムウェアが今後予定しているSmartCloudのDaaSサービスの構築を引き続き支援していくとしている。