国立情報学研究所(NII)と米航空宇宙局(NASA:National Aeronautics and Space Administration)は、双方のクラウド間の相互接続について連携を開始した。この連携は、学術コミュニティ向けにクラウド間相互接続性とデータ共有を推進するNIIの取り組みの1つであるという。
NIIの「edubase Cloud」は、基盤からオープンソースで構築されたクラウドで、物理的に分離されたエンドユーザー専用のIT実験環境の確保が可能であることや、マシンイメージを含めたプロジェクト成果のアーカイブ機能などを特長としており、NIIは「IT技術を駆使したプロジェクト型学習など、実践的教育などに活用できる」としている。
NASAの「Nebula Cloud」はNASA Ames Research Centerで開発を進めているオープンソースのクラウドコンピューティングプロジェクト。NASAによれば「Nebula Cloudは民間のクラウドプロバイダでは利用できない大容量高速なコンピューティング、ストレージネットワーク含む、さまざまなクラウドサービスをNASAの科学者や研究者たちに提供している。また、このクラウドを利用し、NASAは一般向けに大量の科学データセットを共有するための手段を提供している」という。
edubase CloudとNebula Cloudは、オープンソースで構築されていることと、商用クラウドプロバイダとの相互運用ができるAPIを採用していることで共通しており、相互連携性実現に役立っているという。NIIとNASAは今後継続的に、オープンソースクラウドの品質や機能の向上と、国際的なクラウド連携について共同で取り組む意向を示しており、NIIは「このクラウド連携が世界中の学術研究チーム間でコンテンツやそれを扱うソフトウェアの共有が加速される機会になると期待している」とコメントしている。