日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は7月20日、クライアント、サーバ、ストレージを統合した仮想デスクトップインフラストラクチャ(VDI)環境を構築するためのSANストレージ「HP StorageWorks P4800 G2 63TB SAS BladeSystem SANソリューション」(P4800 VDIソリューション)と、VDI導入の推奨構成を提示する「HP VDIリファレンス・アーキテクチャー」を発表した。
日本HP エンタープライズストレージ・サーバー・ネットワーク事業統括 ストレージワークス事業本部 事業本部長の富岡徹郎氏は、「IT予算の70%が維持管理費に充てられているのは、ITがスプロール化(無秩序に拡大)しているためだ。この状態を解決するためにHPでは、ITシステムの能力を適材適所に、適時適量に割り当てるという“Converged Infrastructure”を提案している。今回発表したソリューションは、Converged Infrastructureの要素技術のひとつである“仮想化されたリソースプール”を実現するもの。このようなVDIストレージソリューションを提案するのは業界初だ」としている。
P4800 VDIソリューションは、ブレードサーバとディスクシステムを組み合わせたVDI環境構築専用のSANストレージソリューションで、ブレードサーバとして「HP P4000 sb G6」、拡張ディスクシステムとして「HP StorageWorks Modular Disk System 600 JBOD」を2基採用している。ブレードサーバとディスクシステムをコンポーネントとして利用することで、スケールメリットによるコストダウンが見込めるという。また、プリインストールのソフトウェアとしてHP P4000 G2 SANファミリに搭載されているSAN/iQ8.5を採用、ストレージの筺体に障害があった場合でもデータの利用が継続できるほか、ネットワークRAID機能による可用性の確保や、システムを稼働させたままでのファームウェアアップデートも可能だという。
HP VDIリファレンス・アーキテクチャーは、P4800 VDIソリューションを中核にした推奨VDI構成。デスクトップ仮想化サーバと、共有ストレージ(P4800 VDIソリューション)、クライアント端末、エンクロージャ、仮想化およびHPハードウェア管理サーバなどが含まれている。
P4800 VDIソリューションの価格は2940万円で、VDIリファレンス・アーキテクチャーの参考見積価格は、1000クライアント構成の場合で1クライアントあたり13万4907円(ハードウェアおよびソフトウェア含む、仮想クライアントのOSライセンスは含まれない)。現在はキャンペーン価格などを適用し、1クライアントあたり9万円にて提供する。
日本HP パーソナルシステムズ事業統括 クライアントソリューション本部 本部長の九嶋俊一氏は、「日本HPは、サーバ、ストレージ、シンクライアントの出荷台数でシェアナンバーワンとなった実績がある。この3つを組み合わせたソリューションを提案し、今後デスクトップ仮想化市場においてもリーディングベンダーを目指したい」としている。