出席者が居眠りしていても標準化される規格--標準化プロセスの現場

海上忍 2010年07月28日 09時00分

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 標準化――英語でいうところの「standardization」は、どのように進められているかあまり知られていない。筆者もその例に漏れず、企業の代表者が集まって決めるのだろう、近年ではメーリングリストやIRCで情報交換を重ねつつ叩き台がつくられているそうだ、案件によっては喧々諤々の議論もあるのかな、その程度の認識であったことをあらかじめ白状しておく。

 しかし、先日「電子出版クロニクル 〜JEPAのあゆみ〜」を読み、どうやら大きな勘違いをしていたことに気づいた。まずは、ソニーやPhilipsの提案によるものとされているCD-ROM論理フォーマット規格「ハイシエラフォーマット」について、当時日立製作所に勤務していた三瓶徹氏(現JEPA 事務局長)が記した一文を引用させていただこう。

このハイシエラフォーマットには裏話があり、Microsoft、DEC、Apple、3M、ソニー、日立等が集まって作ったことになっていますが、日立と組んだTMSというベンチャーが全てお膳立てして、議長として仕切り、殆どの方は会議では寝ていたという話が残されています。真偽の程は、寝ていた日立の担当者には判らなかった筈だというオチと一緒に。

「CD-ROMと和同開珎 ーーそしてマルチメディア時代へ」 22ページより引用
電子出版クロニクル 〜JEPAのあゆみ〜 日本電子出版協会 ISBN978-4-9904404-0-4

 この一文からは、標準化に関わるいくつかの仮説を導き出すことができる。

 まず1つは、注目度は低くなかったはずのハイシエラフォーマットが、けっして有名とはいえないベンチャー企業の仕切りで成立したこと。その事実からは、標準化の過程において資本力は絶対的存在ではない、という仮説が成り立つ。

 もう1つは、事前に確かな筋道(根回し)が定められていることだ。

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