IDC Japanは9月13日、国内データセンターネットワークインフラストラクチャ市場の動向を発表した。同市場は2010年以降プラス成長を続け、市場が拡大するとIDCでは予測している。
IDCでは、国内データセンターネットワークインフラストラクチャ市場は、2009年に企業の投資抑制の影響を受けて売上が減少したが、2010年はプラス成長に転じるとみている。2010年の市場規模は、前年比3.6%増の426億5500万円と予測。その背景には、企業の投資抑制の緩和に伴うITシステムの構築や更新需要の回復に合わせて、データセンターネットワークインフラストラクチャの新規構築もしくは更新が進むことが要因とIDCではみている。
また、同市場は中長期的にも拡大を続け、2009年から2014年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)が5.2%で、2014年には530億円に達するとIDCはみている。今後は、企業のITインフラストラクチャがデータセンターへと集約される継続的傾向が成長の基礎となり、出荷台数の増加と高速化および高性能機器への需要シフトによって市場は拡大するとIDCでは予測している。
しかし一方で、同市場においては、ポート利用率の向上や低消費電力化などリソースの効率化、ネットワークの複雑性を可能な限り排除して運用管理性を高めること、さらには仮想化サーバ環境で生じる課題に対処することが求められているとIDCは分析。IDC Japan コミュニケーションズ マーケット アナリストの草野賢一氏は「『リソースの効率化』『運用管理性の向上』『仮想化サーバへの対応』を軸としたデータセンターネットワークソリューション構築をすべき。これらの3つの観点で製品および機能の開発を進め、ソフトウェアベンダーやサーバベンダーとの協業を進めることが、市場を牽引する必須条件となる」とコメントしている。