EMCジャパンは9月22日、同社のユニファイドストレージ「EMC CLARiX」や「EMC Celerra」において、新価格のフラッシュドライブと、管理を簡素化する新機能の提供を同日より開始した。
EMCのユニファイドストレージとは、「シンプルで効率的な企業向けストレージのスタンダードだ」と、EMCジャパン テクニカル・コンサルティング本部 プロダクト・ソリューションズ統括部 マネージャの中野逸子氏。同氏は、「2020年にはデータ量が2009年の44倍に増加し、35.2ゼタバイトにもなると予想されている。中でも非構造化データの増加はすさまじく、いかにしてデータをシンプルで効率的に保存するかが重要になる」と述べ、ユニファイドストレージのような新たなストレージ戦略が必要だとした。
こうしたストレージを実現するために、EMCでは今回さまざまな機能強化を発表した。まずハードウェアとして、低価格のEFD(エンタープライズフラッシュドライブ、SSD)を発売した。100Gバイトと200GバイトのEFDが用意されており、EMCの従来製品より標準価格で最大30%のコスト削減になるという。
ユニファイドストレージでは、EFDをキャッシュとして利用する「FAST Cache」機能が提供される。キャッシュメモリは、サイズに限界があったり、上位機種への買い替えや追加など、コストの課題などがあったが、FAST Cacheは2テラバイトまで拡張が可能で、ReadのみならずWrite cacheにも対応する。また、64Kバイト単位でEFDへのコピーやコピーバックが可能だ。
また、データを自動的に階層化する「EMC FAST(Fully Automated Storage Tiering)」の新バージョンが提供される。新バージョンではストレージシステム内のサブLUNレベルにあるブロックデータを、より細かい単位で分析し、自動的に移動できるようになった。
さらに、「ブロック・データ圧縮機能」も加わり、非活性データを最大50%まで削減できるようになった。こうした機能により、OracleやMicrosoft SQLサーバ環境のパフォーマンスを2倍向上でき、VMware Viewのレスポンスタイムが80%以上改善するとしている。
ストレージ管理ツールの「EMC Unisphere」ソフトウェアも提供され、ファイルベースとブロックベースの両方のアクセスから複数のストレージが可視化できるようになった。また、VMwareの管理ツール「vCenter」からストレージ管理を実現するプラグインや、APIレベルでVMwareと連携する「VAAI(vStorage APIs for Array Integration)」を搭載、SQL OLTPのようなアプリケーションの負荷調整の設定が一度で済むほか、VMwareとの連係機能でI/Oを10分の1に削減してVMwareサーバの統合を10倍加速させるという。