公式資料で「米国A社との違い」まで踏み込んだ純国産クラウド、その実力とは?

2010-10-18 11:00

ニフティクラウドがアピールする優位性4項目

 米国A社が展開するクラウドサービスは、ネット通販サイトを運営するインフラ能力をサービスとして提供できないか、という発想から始まった。追撃する形でクラウドサービスを開始した国内N社も、同様の背景を持つ企業である。もちろんN社はニフティである訳だが、今回はその「違い」とは何なのかに焦点をあて、国産サービスか否かにこだわらず、両社のサービス比較を行ってみたい。

では早速その公式資料を一部引用する。(文末に資料へのリンクあり)
1.国内iDCのため、レイテンシーが圧倒的に低い
2.高性能なCPU/信頼性の高い仮想ソフト
3.サーバーを停止しても、データは保持される
4.プライベート側ネットワークの通信は課金対象外
という事で、それぞれ考えていこう。

1のネットワークレスポンスは、管理者やクライアントの操作感覚に直結する部分なので重要だ。サーバの処理能力が高くても、ネットワーク越しに鈍い反応しか返せなければユーザーのストレスにつながる。ニフティによると、その速度はA社の約10倍、つまりレイテンシ10分の1.ニフティクラウドはデータが国内にある富士通のセンター内に置かれるので、この地理的条件による部分も大きいだろう。

2の仮想環境のパフォーマンスは、ニフティ計測で同一クロックのCPU性能は約2.8倍だったという。こうしたベンチマークは、計測ソフトが与える負荷の内容によって様々な値を返すので、基本的にはユーザー自らが検証する必要はあるが、潤沢なリソース割り当てを行っているという事だろう。仮想化ソリューションの事例ではオープンソースの採用も多くなっているが、実績やノウハウの蓄積があるVMwareが採用されているニフティクラウドは一定の安心感がある。「@nifty」の運用自体も、ニフティクラウドを標準サービスとして行われている。

3、4は、要はサービス設計の「考え方」であり、「お得感」でもある。A社クラウドは別途ストレージを申し込む必要があり、サーバーを停止するとデータは揮発するがニフティクラウドはイメージそのままで他プランへ移行が可能だ。通信についても、ニフティではサーバー間の通信に無償のプライベート側ネットワークを利用可能だ。

なおニフティクラウドは、料金体系が明確なこともユーザーにとっては馴染みやすい。初期費用は必要なく、従量課金と月額料金を選択可能としている。運用面では、オンデマンドでサーバが5分程度で準備でき、サービス構成もウェブのコントロールパネルから容易に行える。アクセスの波に合わせてスケールアップ・スケールアウトさせたり、さらにスケールを小さく戻すなどの対応が可能だ。

クラウドサービスを導入する際は、価格やスペックだけでなく、サービス全体の使い勝手も重要となってくるので、詳細に検討してほしい。上記で紹介したホワイトペーパーは以下の場所から入手可能だ。

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