ディアイティは10月20日、長野県松本市の慈泉会相澤病院の「病棟看護システム」を802.11n無線LANで構築したことを発表した。米Meru Networksの無線LAN製品を利用し、病室内で電波干渉を起こさない802.11n無線LANシステムを構築している。
相澤病院は、長野県の救急医療で高い実績を持つ病床502床の民間病院。トモセラピーやPET(ポジトロン断層撮影法)などの最先端設備を用意し、チーム医療に注力しつつ、業務効率の改善にも積極的に取り組んでいるという。これまでも無線LANを利用した病棟におけるオーダー情報の参照、カルテ参照と入力を導入してきた。
今回は「看護師をナースステーションからベッドサイドへ」とテーマを設定。業務改善の取り組みの一環として、病室での看護システムの稼働を目的に802.11nでの無線LANシステムの構築を目指した。
ディアイティでは、新無線LANシステムの構築にあたっては、医療機関での実績をもとにMeru Networksの製品を採用、コントローラ2台とアクセスポイント136台を導入し、病室内においても電波干渉を起こさない802.11n無線LANシステムの構築に成功したという。また、頻繁なレイアウト変更やクライアントの増設、帯域拡張といった病院特有の課題を解決し、病室内のノートPCでもナースステーションのデスクトップPCと同じように業務アプリケーションを操作できる環境が整ったとしている。
相澤病院では、患者のベッドサイドでの端末利用が可能になったことから、患者の装着するバーコードと注射器のバーコード照合が可能になった。また、リアルタイムでの治療と投薬の情報入力が可能になったことで、病室とナースステーションとの往復時間が削減され、業務効率が大幅に向上。看護師の残業時間も半分となり、余裕をもって患者のケアに従事できるため、医療の質の向上にもつながったという。