IDC Japanは11月15日、データセンターにおけるシステム運用管理の実態調査結果を発表した。同調査は、サーバ50台以上のデータセンターを保有する企業に対し、システム運用管理の状況や課題、システム運用管理ソフトウェアの使用状況などをアンケート形式で聞いたもの。211社から回答を得たという。
調査結果によれば、この3年間でシステム運用管理にかかる作業負担がどのように変化しているかについて質問したところ、「非常に増加している」が9.0%、「増加している」が47.9%となり、合計すると56.9%の企業で作業負担が増加していることが分かったという。これに対して「非常に減少している」が1.4%、「減少している」が8.1%となり、作業負担が減少している企業は10%にも満たない状況にある。この結果の背景には、ハードウェアの増加、アプリケーションの多種多様化、ネットワークの複雑化など、データセンターの肥大化があるとIDCでは見ている。
システム運用管理で抱えている課題について、最も多かったのは「運用管理にかかるコストが大きい」で34.6%。次に「運用管理を担当する人員が不足している」が30.8%、「運用管理の自動化ができていない」が26.1%で続いている。
また、今後導入したいシステム運用管理ソフトウェアの管理機能として最も多かったのは、「プロビジョニング自動化」が20.2%だった。仮想化技術の浸透などによって、企業のデータセンターでは運用管理の自動化に対するニーズが急速に高まっており、プライベートクラウドの要件としても自動化は必須であるとされる。同社では、今後より需要が拡大すると見ている。
IDC Japan、ソフトウェア&セキュリティ マーケットアナリストの入谷光浩氏は「複雑化が進む企業のデータセンターが抱えるコスト負担増と人員不足の問題を解消するためには、運用管理の自動化が必要条件となっていることが調査結果から明らかになった。仮想化によって下地は整いつつあるため、今後は自動化の推進に積極的に取り組んでいくべきである」とコメントしている。