財団法人NEC C&C財団による2010年度の「C&C賞」を、Linus Torvalds氏(Linux Foundationフェロー)が受賞した。
「Linuxカーネルの開発とオープンな基本ソフトウェア開発モデルの提唱」という業績が評価されての受賞で、Torvalds氏は「とても誇りに思っている。Linuxは18年前、私の個人的なプロジェクトから始まって、現在世界に広まり、さまざまな用途で利用されている。このようなアワードを受賞したことで、自分が確かに何かを成し遂げたのだと実感することができる」と述べている。
授賞式に出席するため来日したTorvalds氏は11月24日の午後、ANAインターコンチネンタルホテル東京で、ZDNet Japanの1時間にわたるインタビューに応じた。Torvalds氏に、カーネルサミットのあり方や、組み込み――特に家電分野でのLinux活用について聞いた。
社会に欠かせない存在となったLinux
Linuxの利用は現在、証券取引所や航空管制システム、スーパーコンピュータ、スマートグリッド、自動車、交通システムなど社会の重要なインフラや情報家電、さまざまなモバイルデバイスなど多岐にわたっており、それらにとって欠かせないものとなっている。
いまやLinuxは、OSだけにとどまらず、将来のコンピューティングの土台を構築する重要な要素となっている。また、昨年は携帯機器向けソフトウェアプラットフォーム「MeeGo」をリリース。今後、さまざまなモバイル端末への採用が期待されている。
オープンソースとして、国や地域を越えた多くの開発者によって支えられているLinuxは、約3カ月の間隔で新バージョンがリリースされている。2010年10月現在、Linuxカーネルは2.6.36が最新版として公開されているが、これまでに関わったカーネル開発者は1100人を超えたという。