世界の主要なLinuxカーネル開発者が集まり、既存カーネルや開発計画について議論を交わすLinuxの年次集会が「Linuxカーネルサミット」だ。2010年の「Annual Linux Kernel Summit」は、11月1日と2日に米国マサチューセッツ州のボストンで開催された。
今回のカーネルサミットについてTorvalds氏は、「これまでなにか問題があるたびに、非常に大きな議論があった。しかしここ数年間のサミットでは、それがないのが残念だ」とした上で、「カーネル開発は順調に進んでおり、開発者は大きな問題に対しても、それぞれ合意しながら前進している。今回、カーネルサミットに参加した約90人の参加者たちは、正式なトラックよりも、むしろ廊下での立ち話に大きな意義を見出していたようだ」と今回の成果を語った。
ただ、Torvalds氏は最近、カーネルサミットが規模として少し大きくなりすぎた感があるため、来年以降は、少しやり方を変えなければならないと思っているともいう。
現在は約1カ月前に各地域でミニサミットを行い、その成果をカーネルサミットに持ち寄って、全体で議論するというスタイルをとっている。ミニサミットから代表者がカーネルサミットに参加し、成果をレポートするわけだが、そうするとどうしてもレポートがハイレベルでアウトライン的なものになってしまうのだという。
「ミニサミットをカーネルサミットの前日に行い、翌日、それに参加した人たちの多くがそのままカーネルサミットにも参加して議題を話し合う方が、前日のディスカッションまで包括した内容でレポートできるため、効果が高いと感じている。また、さまざまな人たちが集まり意見を交換することによって、Linuxのカーネル開発をより活性化できる」とTorvalds氏考えている。来年のLinuxカーネルサミットは、ミニサミットと連結して開催される見込みが高くなった。