Hyper-Vを最適化するための5つのティップス - (page 2)

Brien Posey (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2011-04-01 08:00

3:スナップショットの作成を避ける

 仮想マシンのスナップショットを取得することで、仮想マシンの状態が保存できるようになる。このため、パッチのインストールやコンフィギュレーションの変更に先立って、スナップショットを取得しておくというプラクティスが一般的となっている。これによって、何らかの問題が発生した場合でも、バックアップからの復元を行うことなく、仮想マシンを以前の状態に復帰させることが可能になるわけだ。

 ただし、スナップショットは手軽とはいえ、その多用は禁物である。これには2つの理由がある。1つ目の理由は、データベースサーバのスナップショットを取得した後、そのスナップショットまで該当サーバをロールバックしてしまうと、たいていの場合データベースの破損につながるというものである。そして2つ目の理由は、スナップショットによってVMのパフォーマンスが低下するというものである。スナップショットの取得によって、2つ目の仮想ハードドライブ(.AVHDドライブ)が作成されることになる。この時点以降、すべての書き込み動作は該当新規ドライブに対して発生するものの、読み込み動作は双方のドライブ上にまたがり、仮想マシンのパフォーマンスに影響を及ぼしてしまうわけである。また、仮想マシンのスナップショットを数多く保管すれば、それに伴って該当マシンのディスクパフォーマンスも悪化することになる。このため、スナップショットの使用はできる限り控え、かつ保存も必要な期間だけに留めておくのがよいだろう。

4:可能であれば仮想マシンとNUMAを一致させる

 NUMA(Non Universal Memory Architecture)プラットフォーム上でHyper-Vを稼働させる場合、Hyper-Vが適切なNUMAノード内のリソースのみを使用するように設定しておくべきである。Hyper-Vでは、仮想マシンが複数のNUMAノード内のリソースを使用するように設定できるものの、これによってパフォーマンスの劇的な低下が引き起こされる。このため、仮想マシンが単一のNUMAノード内のリソースを使用するように設定できるのであれば、Hyper-Vは優れた性能を発揮できるようになるわけだ。

5:ネットワークインターフェースカードを効率的に使用する

 ホストサーバのなかには、仮想マシン毎に専用のネットワークインターフェースを割り当てられるだけの十分な数のネットワークインターフェースカード(NIC)を搭載していないものも多い。このため、最も効率的な使用を可能にするようなネットワークリソースの割り当てが必要となる。可能であれば、大量のネットワークトラフィックが発生する傾向のある仮想マシンに専用のNICを割り当ててほしい。こういったサーバにはExchangeサーバやSQLサーバも含まれる。比較的トラフィック量の少ない仮想マシン(ドメインコントローラやDHCPサーバなど)があるのであれば、そういった仮想マシン同士でNICを共有できる可能性もあるはずだ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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