ネットワンシステムズは、シトリックス・システムズ・ジャパン(シトリックス)のデスクトップ仮想化ソリューション「Citrix XenDesktop」を採用し、全社規模での社内クライアントの仮想デスクトップ化を行った。
ネットワンシステムズは、グループ企業全体で約3000台のクライアント端末を利用しており、その中でも営業担当者やシステムエンジニア(SE)などが、顧客先で使用するノートPCのセキュリティ強化が大きな課題だったという。具体的には情報漏えいやウィルス対策などのセキュリティ強化を行いつつ、業務効率を妨げないという要件を満たす必要があったという。
今回構築されたシステムでは、ブレードサーバ上にハイパーバイザを搭載し、その上の仮想PCに各個人のデスクトップ環境を構築している。利用者は、社内および社外から仮想デスクトップへのアクセスが可能で、社外からのアクセスには、「Citrix NetScaler」によるSSL VPN通信を行い、負荷分散機能も活用している。社員が利用するデスクトップ環境のイメージは、Citrix XenDesktopの一機能であるプロビジョニングサービスにより一元管理され、仮想PC上にオンデマンドに一斉展開することで運用管理の効率化を図ったという。
Citrix XenDesktopを採用するに当たっては、低帯域ネットワーク環境でも、ストレスなく社内システムへのアクセスを可能にする「Citrix ICAプロトコル」が、もっとも高く評価されたという。また、Citrix XenServerだけでなく複数のハイパーバイザをサポートしている点、Citrix NetScalerを経由し、社外からの安全なアクセスが可能な点、デスクトップデリバリコントローラ(DDC)の管理画面が使いやすい点なども評価されたとしている。
Citrix XenDesktopの導入により、社内システムにアクセスしたPCにデータが残らないため、PCを紛失した場合でも、情報漏えいのリスクが軽減されるという。また、顧客先や外出先などから必要なデータに容易にアクセスできる環境が実現されたとしている。
合わせて、運用管理面では、プロビジョニングサービスによりデスクトップ環境のイメージを一元管理できるため、ソフトウェアのバージョンアップやセキュリティパッチなどもサーバ側で一括対応することが可能になった。このため、手順書を作成したり、利用者ごとに個別対応する作業が不要になり、コスト削減に寄与しているとしている。
今後は、Citrix XenDesktopに含まれる「Citrix XenApp」のアプリケーション仮想化機能を用いて、必要な社員だけが必要なアプリケーションを利用する仕組みを構築し、アプリケーションライセンスコストの最適化にも取り組む予定。また、テレワークの実現やオフィスのフリーアドレス化、資料のペーパーレス化を行うなど、施設や消耗品関連のコスト削減も見込んでいるという。同社では、約3年かけてグループ全体で使用している約3000台のクライアント端末すべてを仮想デスクトップ化する計画を検討中だ。