IDC Japanは8月17日、2010年の国内サーバ市場の産業分野別動向を発表した。産業分野別では組立製造が580億円でトップ、通信/メディアが578億円で2位となっている。2009年に1位だった官公庁は3位になっている。
2010年の国内サーバ市場規模は前年比6.3%減の4505億円。産業分野別のサーバ出荷額の成長率では公共/公益、証券/その他金融、卸売、組立製造が前年から高い伸びを示している。
2009年に最も高い成長率を示した一般サービス/その他は、前年比42.4%減と大きく落ち込んでいる。これは2009年にあったメインフレームの大型案件の反動が原因。2009年に最も出荷額が大きかった官公庁は前年比38.6%減と大きく減少している。2009年は「地球シミュレータ」を含むHPC用途の大型案件が複数あったため、反動が大きく出た形だ。
2015年の国内サーバ市場規模は3998億円と予測。2010~2015年の年平均成長率(CAGR)は2.4%減と見込んでいる。2015年の産業分野別出荷額では通信/メディアが組立製造を抜き、最も出荷額が大きい産業分野になると予測している。情報サービスは引き続き堅調な推移を示すとしている。
IDCは、サーバ市場が縮小する中で、比較的市場規模が大きく、CAGRがプラスとなる産業分野に注目しているという。同社のサーバリサーチマネージャーの林一彦氏は「成長が期待できる製品分野のx86サーバでは、通信/メディアと情報サービス、公共/公益に注目すべき」と説明している。
その理由として「通信/メディアと情報サービスはいずれもクラウドサービスなどのデータセンター向け需要、スマートフォンなどのモバイル端末と次世代通信サービスを組み合わせた市場の伸びが期待できる。公共/公益は、代替エネルギーなどの導入によるスマートグリッドやスマートシティの制御に必要なサーバ需要が活性化する」と挙げている。