全日本空輸(ANA)はグループ全客室乗務員6000人にiPadを配布する。10月から一部の客室乗務員約70人がトライアルで運用し、2012年4月から全客室乗務員がiPadを携行する予定。ソフトバンクテレコムが9月20日に発表した。
ANAは2011~2012年度のグループ経営戦略で掲げる「グローバル化への挑戦」「経営効率向上の実現」の具体化策として、機内品質の向上と客室乗務員の生産性向上を目指して、全客室乗務員にiPadを配布する。乗務マニュアルの電子化による管理業務改革、iPadでの自己学習の導入で教育訓練業務の改革を推進していく。
客室乗務員は従来の紙マニュアルに替わってiPadを携行し、電子化された最新のマニュアルがいつでもどこでも参照できることから、より安全で安心なサービスを提供できるとしている。研修形式で展開していた教育訓練は、iPadでの自己学習に切り替えて、自習できるようにして、訓練期間を短縮できるという。音声や動画を活用した乗務マニュアルや業務ノウハウを共有できる教材を作成することで、業務習熟の早期化とスキル向上をサポートして、よりハイレベルな接客を目指すとしている。
ソフトバンクテレコムはiPad納入とともに、乗務マニュアルに映像や音声などのマルチメディアコンテンツを作成して、iPad向けに配信できるクラウドサービス「ホワイトクラウド ビジュアモール スマートカタログ」、端末ごとに必要なセキュリティ対策を一元的に管理する「ソフトバンクテレコム ビジネス・コンシェル デバイスマネジメント」も提供する。乗務マニュアルをいつでもダウンロードできるように羽田や成田、伊丹、福岡の各空港内にWi-Fi環境も構築する。